2023.02.04

「レトロ温泉街ランキング」 1位は北関東の名湯

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寒い季節になると、恋しくなってくるのが温泉。日本各地に温泉街は存在するが、中でも昭和の面影を残すレトロな街並みの温泉街は、日本人観光客からもインバウンドからも人気を集めている。

旅行情報誌「じゃらん」は、全国に住む20代から50代の1088名を対象に、タイムスリップしたような気分が味わえるレトロな温泉街についての調査を実施(複数回答)。トップ5には、東北から九州まで風情溢れる温泉街が並んだ。

1位 四万温泉(群馬県)


四万温泉協会によると、四万温泉は西暦700年代から湯治場として親しまれてきた温泉地。日本では珍しく飲泉できる温泉で、飲めば胃腸によく、入浴すれば肌によいと言われ、美人の湯として知られている。源泉は全部で42本あり、うち39本が自然湧出で湯量豊富。

カフェや土産店が集まる温泉街には、懐かしのスマートボールや射的で遊べる遊技場もあり、昭和レトロの雰囲気が漂う。立ち寄り湯や飲泉所巡りも堪能しながら、信号、コンビニ、ネオンなどがない静かな風情を楽しめる。

2位 銀山温泉(山形県)

自然の中にひっそりとたたずむ銀山温泉は、日本屈指の人気温泉。江戸時代初期にこの地で栄えていた「延沢銀山」の工夫が、銀山川の中に温泉が沸く様子を発見したことが始まりだとされる。細かな湯花が混じった乳白色の湯も楽しむことができ、塩化物泉の泉質は保温効果が高く、湯冷めしにくいと言われている。

銀山川を挟んで立ち並ぶ高層木造建築の旅館は情緒にあふれ、木製の格子窓や外壁のしっくい、ガス灯の街灯がともる光景は、まるで昭和初期にタイムスリップしたような雰囲気。冬には街が雪化粧をまとい、ロマンチックさを増す。

3位 渋温泉(長野県)


長野県北東部にある渋温泉は、1300年前に開湯。地面を掘ればすぐお湯が出るといわれるほど湯量が豊富で、すべての旅館と外湯は100%源泉かけ流しとなっている。源泉により成分が異なり、鉄分が多く褐色を帯びた湯から白濁した湯、緑がかった湯、無色透明の湯まで、効能も成分も異なる多彩なお湯が味わえる。

9カ所の共同浴場が無料で開放され、浴衣姿で外湯巡りが楽しめるのもポイント。石畳が続く街並みには、ノスタルジックな旅館や土産物屋、遊技場などが立ち並ぶ。 街のシンボル、老舗旅館「金具屋」の斉月楼は、2003年に国の登録有形文化財に認定された。

4位 伊香保温泉(群馬県)


温泉天国の群馬県から2箇所目のトップ5入りとなったのは、万葉集にも登場するほど長い歴史を持つ伊香保温泉。「黄金の湯」と無色透明の「白銀の湯」、2種類の源泉を楽しむことができ、体を温めて血行を促す「子宝の湯」として知られている。

伊香保温泉の中心地である365段の石段街には、歌人の与謝野晶子が詠んだ詩が刻まれ、旅情を盛り上げる。さらに、石段の自分の誕生段で写真を撮ったり、石段街に埋め込まれた生まれ年の干支のプレートを探すのも定番の遊び方の一つ。石段の両側には旅館や土産店、飲食店、射的などの遊技場もあり、風情漂う街並みを散策できる。

5位 黒川温泉(熊本県)


阿蘇山の北、緑ゆたかな山々に囲まれ、コンパクトなエリアながら7つの泉質を有する黒川温泉。川沿いに旅館が並ぶ温泉街エリアと、街中から少し離れた里山に一軒宿が並ぶ奥黒川エリアに分かれ、素朴な雰囲気を残す。

「黒川温泉一旅館」というコンセプトのもと、街全体の風景がまるで一つの旅館のように自然へと溶け込んでいるのが魅力。「入湯手形」を手に入れれば、27カ所の旅館の露天風呂から好きな3箇所を選んで入れるほか、飲食店や土産店でも使える。球体状の「鞠灯篭」数百個と、筒状で高さ2mほどの「筒灯篭」を自然の景観に溶け込むように配置し、日暮れから夜にかけて点灯する「湯あかり」ライトアップでは、幻想的な光景が広がる。

湯煙が漂うレトロな温泉街の景色を愛でつつ、温かいお湯にゆったりと浸かれば、冷えた体も心もポカポカになる。次の休み、足を伸ばしてみてはどうだろうか。

文 = 大柏真佑実

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