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2023.01.18

MLB、2022シーズンの総収益が史上最高記録を更新

2022年10月15日、ワシントン州シアトルのT-Mobile Parkで行われたヒューストン・アストロズ対シアトル・マリナーズのアメリカンリーグ ディビジョンシリーズ第3戦の前に、ファンの歓声が響く(Photo by Steph Chambers/Getty Images)


MLBの総収益で最も大きな部分を占めるのは、今でも、こうしたテレビ放送やストリーミング配信に関するメディアとの契約だ。だが、2022シーズンについて言えば、MLBの財務健全化に非常に大きな役割を果たしたのはスポンサー契約だった。

マーケティング調査会社IEGのリポートによると、2022シーズンにMLBがスポンサーから得た総収益は、前年比5.6%増の11億9000万ドルに達したという。その前の2021シーズンは、まだコロナ禍の影響が色濃く、MLBもシーズン当初は、スタジアムで観戦可能な観客の人数を制限していた。

MLBとパートナー契約を結んだ主な事業セクターとしては、ビール、保険、テクノロジー、自動車、情報通信、アパレル、ベッティング/宝くじ/ギャンブル、ソフトドリンク、住宅ローンや証券会社、そしてワインおよび蒸留酒の分野が挙げられる。

総収益の増加は、試合そのものの入場者数が長期低落傾向にあるなかで記録されただけに、なおいっそう目覚ましいものに映る。前季(2021シーズン)比では、入場者数は42.3%のプラスと大幅増になったものの、比較対象となる2021シーズンの当初は、「収容人数の20%を超えてはならない」というルールで運用していたスタジアムが大半だっただけに、これは手放しでは喜べない数字だろう。

コロナ禍発生前の2019シーズンと比較すると、2022年レギュラーシーズンの総観客数は、6%近く落ち込んでいる。2020シーズンを除くと、MLBの入場者数は、実に9シーズン連続で、前年よりも減少している。2012年には前年比で1.97%のプラスとなったが、プラスになったのはそれが最後であり、MLBの入場者数は、2012年以来14%のマイナスを記録している。

総収益は、MLBに入ってくる金額を見る上でのバロメーターにはなるが、これがMLBでプレイする選手たちの年俸とどう関連しているかを見る際には、有効な指標とは言えない。経費が織り込まれていないからだ。

2019シーズンから2022シーズンにかけてのデータは得られていないものの、MLBからメジャーリーグベースボール選手会(MLBPA)に提供された財務状況を見ると(ただし2006年~2018年に関しては、裏付けとなるデータを確認できなかったという)、業界全体の収益と、MLB、マイナーリーグ、アマチュアレベルの年俸を比較できるほか、任意のシーズンについて、これらの年俸が業界全体の収益と比較してどれほどの割合にあたるかを確認することができる。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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