この文脈の中で、キャス・サンステインによる最近の実に興味深い論文(『The Use of Algorithms in Society[社会の中でのアルゴリズム利用]』)は、デートなどを含む複数の領域におけるAIの役割を強調している。なおこの論文中ではユタ大学のサマンサ・ジョエルによる次の論文『Is Romantic Desire Predictable? Machine Learning Applied to Initial Romantic Attraction(ロマンチックな欲求は予測可能か? ひと目惚れを機械学習させる)』の結論が引用されているが、その結論とは、恋愛感情のプロセスは「地震のようなもので、その発生を引き起こすダイナミックでカオス的なプロセスは、予測が現実的になるためには、相当な追加的科学的調査を必要とする」という、ロボットが書いたと思われるほどダサいものだ。
サンステインの論文は、外科医や裁判官がAIと競争するのではなく、自らの役割をサポートさせるかたちでAIとその関連データセットを利用することで、より賢くなり、データ中心でチャレンジを行い、結果的に社会がより良くなることを示すのに有用な論文だ。
専門家がテクノロジー、特にAIを利用する際にその裏に潜むのは、テクノロジーによって自分たちが「中抜き」されるのではないかという不安だ。最近の動きとしては、OpenAI(オープンエーアイ、社会的に有用なAIを構築するために7年前に設立され、最近300億ドル[約3兆9600億円]の評価を受けた)が開発した、対話型の「インテリジェント」ボットChatGPT(チャットジーピーティー)の登場が挙げられる。ChatGPTが急速に普及しているのは、ある程度まともなエッセイを書けることに学生たちが気づいたからだ。
(forbes.com 原文)