しかし、これまでのところ、テスラはその規則を無視し続けている模様だ。同社は、自社の車両が完全な自動運転ではないことを認めているにもかかわらず、「フル・セルフドライビング」という名称の機能を、カリフォルニア州の顧客に売り込んでいる。
昨年9月にギャビン・ニューサム知事によって署名されたこの法律は、メーカーやディーラーが、マーケティング資料において、「部分的な自動運転化機能」もしくは「運転操作の一部を自動化する機能」を持つ車両が、「自動運転車」として機能すると消費者を信じ込ませる表現を用いてはならない、と定めている。
また、ディーラーやメーカーに対し、部分的な自動運転の機能とその限界を明確に説明するよう指示している。
しかし、テスラは1月4日現在、カリフォルニア在住の顧客がウェブサイトから車両を注文する場合、1万5000ドルの「フル・セルフドライビングのオプション」を追加するかどうかを尋ねている。サイトでは「現在有効な機能は、ドライバーの監視を必要とするもので、車両を自律走行させるものではない」と注記しているが、「フル・セルフドライビング」の名称を使い続けること自体が、新法に違反していると思われる。
「テスラのソフトは素晴らしい運転支援ソフトだが、自動運転のソフトではない。この機能をフル・セルフドライビングと称してマーケティングすることは、明らかに誤解を与える」と、自動運転技術のマーケティングに関する規則の強化を推進する団体、Chamber of ProgressのCEOのAdam Kovacevichは述べている。
カリフォルニア州の自動車局(DMV)はフォーブスの取材に、「メーカーやディーラーに対し新たな法律の内容と、それを遵守しない場合に起こりうる影響について説明する通知を送付する」と回答した。