ビジネス

2022.12.27

テレワークの効率を上げるため、集中力を可視化

プレスリリースより

長野県茅野市は、豊かな自然の中で健康的に暮らすことで高効率なテレワークを実現する「ウェルネステレワーク」を提唱しています。

その効果を確かめる実証実験プログラムを2021年に実施したところ、参加者から集中力の向上を実感する声が聞かれましたが、その効果を定量化できないという課題が残されていました。そこで2022年には、セイコーエプソンの技術を導入してプログラムを実施。集中力の可視化を行い、数字の上でもその効果を確かめることができました。

人気の保養地である蓼科を有する茅野市には、50近くものテレワーク関連施設が点在するなど、テレワークの人気スポットでもあります。2022年11月、茅野市は森ビルに委託して蓼科でウェルネステレワーク・プログラム実施しました。東京と大阪の企業4社から8名が参加し、2泊3日の期間中に、食事、運動、睡眠、呼吸、入浴を「5つの柱」としたセルフケアを学ぶというものです。

セイコーエプソンはそこで、ウェアラブル・センシングデバイスと心拍変動データを分析するアルゴリズムを用いて集中度を可視化する実験を行いました。これは、医療機関との共同研究で性能が実証されたエプソンの技術です。プログラム参加者には参加前と参加中にデバイスを装着してもらいました。すると、その測定データが体感と一致したのです。集中時間は、18人中11人が参加前にくらべて累計56パーセント増加していました。さらにこの集中度と睡眠の質のデータを参加者にフィードバックすることで本人の気づきが促され、行動変容につながることもわかりました。



参加者のひとりは「寝ているときの状態や交感神経副交感神経の状態など、普段計測しづらいものを確認できたことで、何をすればどうなるのか具体的に考えるきっかけになりました」と話しています。

茅野市は現在、「ウェルネステレワーク」の商標登録を申請しています。今後は、プログラム内容を磨いて商品化を目指すとのことです。

文 = 金井哲夫

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