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人間は感情に流されやすい生き物だ。そして、その行動は本能によっても支配される。
「多くの投資家は、少なからずこうしたものの影響を受けミスをしている」と、行動経済学者のリチャード・セイラーは考える。では、市場の株価とは“誤った価値”なのだろうか? そして、それを見越したうえで、もうけを出す方法とは?

 他人の非理性的な投資のミスを利用して、もうけることなどできるのだろうか。

 シカゴ大学の行動ファイナンス教授であり、ベストセラー『実践行動経済学』(日経BP 社)の共著者でもあるリチャード・セイラーは、それはいたって可能なことだと考える。
 彼は、投資家行動を研究するなかで、“誤った価値”がつけられた株式を特定し、もうけにつなげてきた。彼が社長を務める「フラー&セイラー・アセット・マネジメント」は、すでに20億ドル以上の資産を運用している。
 セイラーは、投資家たちはなぜ、時に自滅的な行動をとってしまうのかを長年研究してきた。つまり、我々の脳が誤作動を起こしてしまう理由を解明しようとしたのだ。
 個人投資家たちの多くは、株価が上昇すると株を買おうとする。そして、株価が下落し、本来なら買うべき時に市場から逃げ出そうとしてしまう。
 
ボストンに拠点を置く金融調査会社ダルバーによると、この「高値買い、底値売り」により、2013年12月30日までの30年間、株式ファンドの投資家があげた利益はS&P500の年率11%以上に対し年率3.69%に留まったという。では、投資家が間違いを犯すのを未然に防ぐには、どうしたらいいのか。
 
ダルバーは、「投資行動を“ 教育”によって是正しようとしても、意味がない」と言い放つ。では、こうした“ 間違った投資”を有効活用するには?(中略)行動経済学に重きを置く運用者が異なるのは、まず価格変動の要因分析をし、それから割安割高の判定をする、という点だ。フラー&セイラーの運用者のひとつの方法は、最初に誤った価格形成がされていると思われる株式を選ぶことにある。
 
そして、もうひとつ大きく異なる点がある。バフェットは、株式や企業自体の購入を決めるにあたり、経営者の力量から判断しようとするが、フラー&セイラーのアナリストたちは、いわゆる企業訪問というものを一切しない。感情的になると、どうしても正しい判断ができなくなる、自分好みの株にやたら執着しすぎるなど、ベテランの投資家でもつい行いがちな間違いを予防するべく、経営者とは一定の距離を置いているのだ。
(以下略、)

ジョン・F・ワジック

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