マセラティがより小さめの新型SUVで強豪ポルシェに挑む

坂元 耕二
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マセラティ・グレカーレ

もし僕が10年前に「イタリアの高級車メーカー、マセラティが数年のうちにSUVを導入する」と言っても、誰も信じなかっただろう。ところが、2016年に同社が初のSUV「レヴァンテ」を導入すると、いきなりヒットし、マセラティの販売台数の4割以上占めた。

しかし、あれから6年が経ち、SUVの市場がだいぶ変わってきた。フェラーリも含めて、全ての高級車メーカーがSUVを出すようになったので、競争がますます激しくなってきた。そういう状況の中でレヴァンテが少し古くなっただけでなく、より小さなSUVの需要が増えた。ところが、その小型高級SUVのセグメントに、大ライバルのポルシェ・マカンやBMW X4Mなどがあるので、マセラティのライナップには、よりコンパクトなSUVが不可欠になった。

そんな中で、新車種「マセラティ・グレカーレ」が登場した。

後ろから見たグレカーレ

「レヴァンテ」の下に位置するDセグメントのSUVとして、グレカーレはアルファ・ロメオの「ステルヴィオ」などの最新世代の「ジョルジョプラットフォーム」を採用。より小型なSUVに乗りたい人向けに、全長はレヴァンテより150mmほど短く、重量も何とレヴァンテよ400kgも軽い。全幅は10mmほど縮んでいるけど、全高は一緒。

さて、サイズ的には日本の道路状況にはより合っているけど、スタイリング面はどうだろう。正直なところ、もう少しデザイン的に冒険して欲しかった。確かに、グレカーレは綺麗なプロポーションを持っており、高級感が漂うし、彫刻のようなフィニッシュを感じさせるけど、レヴァンテに比べてそれほどスタイリングを進化させていない感じがする。今回導入した外装色はブロンゾ・オパーコ(くすんだ銅色)だが、陽の当たり方によってゴールドやくすんだブラウンに見える。僕としては、もう少しゴールドが入った方がよかった気はする。

いっぽう、グレカーレの内装は素晴らしい。グレージュ色のプレミアムレザーが用いられた「グレカーレGT」のインテリアはなかなか印象深い。何度も変速したくなる気持ちの良いシフトパドルはアルミ製で、ステアリングポストに固定されている。イタリアのオーディオメーカー〈ソナス・ ファーベル〉の1000Wサウンドシステムが全車に標準装備されるので、高級なスピーカーが存在感たっぷり。

キャビンの写真

運転席の写真

レヴァンテよりコンパクトにもかかわらず、室内はとてもルーミーだし、開放感がある。しかも、レヴァンテのGPSナビやタッチスクリーンよりも、グレカーレは最新の技術を採用している。12.3インチと8.8インチの液晶パネルを組み合わせたセンターディスプレイの採用によって、スイッチ数を削減してスッキリしている。なので、運転席周りはとてもシックだし、タッチスクリーンはマセラティと思えないほど、クリーンで上質な感じだ。画面の画像やアイコンが色鮮やかで、奥行きを感じる。
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文=ピーター ライオン

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