PGAツアーも手をこまねいているわけではない。6月に来季8大会の賞金総額を5380万ドルに引き上げると発表し、プレイヤーズ・チャンピオンシップは賞金の2500万ドル増額を発表した。もっとも懸念もある。PGAツアーがメンバーにLIVの大会への参加を認めていないことから、米司法省が反トラスト法違反の疑いで調査に乗り出したのだ。
一方で、LIVへの参戦を拒んでいる選手がいる。タイガー・ウッズである。“グレイト・ホワイト・シャーク(ホホジロザメ)”の異名をとり、現在LIVゴルフのCEOを務めるグレッグ・ノーマンは、米紙「ワシントン・ポスト」で、ウッズがLIVからの9桁後半もの破格のオファーを蹴ったことを明かした。
それでも、ウッズは後悔などしていないようだ。彼はLIVへの参戦について「まったく理解できない」と語り、全英オープンの前に次のように述べている。
「長期的に見て、移籍した選手たちにとってプラスに働くとは、とてもじゃないけれど思えません」
世界で最も稼ぐプロゴルファーランキング
ブライソン・デシャンボー◎2020年の全米オープン覇者で、米プロゴルフ界屈指の理論派として知られる。LIVへの参加には当初は否定的だったが、22年6月、電撃的に参戦を表明。過去12カ月間の税引き前所得が総額8600万ドルとなったデシャンボーは一気に、フォーブスの「世界で最も稼ぐスポーツ選手ランキング」で11位に躍り出た。
ダスティン・ジョンソン◎2016年の全米オープン、20年のマスターズを制覇し、PGAツアーでは通算24勝。22年7月の全英オープンでは6位タイに入るなど、PGAの顔役の一人だが、LIV参戦を機にPGAからの撤退を表明。「アイスホッケーの神様」ことウェイン・グレツキーの娘で、妻のポリーナら家族と過ごす時間を増やしたい、と話す。