キャリア・教育

2022.12.16 10:00

次世代教育「コネクテッド・ラーニング」とは何か

オンラインと社会的つながり

──「コネクテッド・ラーニング」がなぜいま、重要なのか。
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「コネクテッド・ラーニング」とは、共通の関心やアイデンティティをもつ集団内で相互に学びあう学習アプローチだ。

学校教育のような画一的な勉強ではなく、若者が、自分の興味のある対象を通じて、好きなことを好きな人と一緒に「楽しんでいる」という感覚で学ぶことができる。近年ではオンラインコミュニティが発達したおかげでより入り口が広がっている。

私が2015年に共同創設したNPO、Connected Campsでは、子どもたちはマインクラフトのゲームのなかでコミュニティをつくり、歴史や生物などを学べたり、コーディングやゲームデザインを学ぶことができる。
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大切なのは、メンターとして、彼らに年の近い学生にかかわってもらい、子どもたちの興味・関心をさらに引き出す役割を担ってもらうことだ。また、親たちは安心して私たちのコミュニティに子どもを預けることができる。

このような社会的つながりをもつコネクテッド・ラーニングは、私たち、そして次世代の子どもたちにとって必要不可欠だ。情報や、文化的なことの多くがデジタル空間で起こっていたとしても、前述のように、それらは常に社会的なものであるということを意識する必要がある。

Connected Campsでは、テクノロジーのもつアクセシビリティや公平性を利用することで、これまでゲームの文脈から追い出されがちであった女の子だけでなく、従来の学校には適応できなかった自閉スペクトラム症やADHDなど特別なニーズの子どもたちもたくさん参加しており、学習だけでなく、オンラインで社会的につながることができる場所を提供できている。

子どもたちのさまざまなアイデンティティ、興味を理解しつつ、すべての若者が自分の居場所があると感じられるような社会的つながりをデザインすること、そして、よい文化や知識、行動がオンライン上でも生み出され、若者がそれに参加できる環境をつくることがますます求められている。

伊藤瑞子◎カリフォルニア大学アーバイン校人文科学研究所准教授。若者とテクノロジーのかかわりについての研究を行いながら、NPO法人Connected Campsを共同創設。元MITメディア・ラボ所長伊藤穰一の妹でもある。

文=岩坪文子、荒川未緒

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