こうしたデータを明らかにしたのは、アマゾンが委託し人事調査会社ワークプレース・インテリジェンス(Workplace Intelligence)が実施した調査だ。
同調査では、異なる業界や企業で働く米国の従業員3000人を調査した。その結果、来年退職する可能性が「非常に」あるいは「いくらか」高い理由としてスキル開発の機会が十分にないことを挙げた従業員は64%、キャリアアップの機会が十分にないことを挙げた人は66%、異なる仕事や新たなキャリアパスに移行する方法がないことを挙げた人は65%だった。
ジェネレーションZ世代とミレニアル世代の従業員の転職リスクはさらに高く、74%はスキル構築の支援やキャリアの可動性を高める選択肢がないことから転職の準備ができていると報告している。
しかしスキルやキャリアアップのためには、退職よりもはるかに影響が少ない代替策が存在する。
1. 現在の職場での学習・開発の選択肢を再確認する
雇用主が提供する明白な学習・開発の機会には、大学院の学費支援やオンサイトで訓練を提供する社内の学習開発グループなどがある。
こうしたものがどれもなければ、従業員の福利厚生に趣味ウェルネス系の手当が含まれているかもしれない。これらは専門的なスキル訓練として提供されているわけではないが、趣味を活用したキャリアアップ(デジタルマーケティングやパブリックスピーキングなど)は可能もしれない。
また、プライベートや仕事での成長を実現する瞑想(めいそう)や考え方の訓練がウェルネス系の手当に含まれているかもしれない。最後に、会社は従業員リソースグループを支援しているかもしれない。従業員リソースグループとは、ネットワーキング(人脈作り)や社会交流、時には専門的能力の開発を目的として集まる、分野横断的でさまざまな役職の人から成るグループだ。
2. 自分独自の社内学習プログラムを立ち上げる
従業員リソースグループを立ち上げれば、リーダーシップや企画、イベント計画の分野で実地経験が得られる。また、ウェルネスや趣味に対する手当を設けることを人事部にアピールすることも可能だ。
あなたにとって次のステップは具体的に何か、社内の誰と面談すべきかについて上司に相談しよう。上司による紹介で人脈が広がるだけでなく、メンターも見つかるかもしれない。さらに一歩進んで、部署や同じ地位の人の間でメンタープログラムを企画してもよい。
従業員リソースグループの立ち上げと同様、新たなプログラムを売り込んで活動を進めれば、プログラムが提供するメリット以上のスキルが得られる。