ただ、貧困対策を担当するキャロラ・シューテン第三副首相は、実現するには相当額の公的負担が必要になるものの、最終的には生理用品を必要とするすべての人を対象にしたい考えを明らかにしている。
「生理の貧困(月経の貧困)」と表現されるとおり、生理は多くの女性たちにとって、大きな経済的負担となっている。世界銀行によると、生理の貧困の状況にある人は、世界全体ではおよそ5億人にのぼっている。
生理用品を買うことができない人の多くは、トイレットペーパーや使い古した布切れなど、安全ではないものを代用品にしている。その結果、感染症などにより健康に問題を抱えることになる人たちもいる。
生理用品を入手できないために学校に行くことができず、十分に学習することができないというケースも多い。「必要なもの」を購入できないことは、個人の尊厳を傷つけることにもなり得る。
そして、さらにこの問題を大きくしているのが、生理や生理用品に関する話題を「恥ずかしいもの」と感じる人たちもいることだ。生理用品が無償で提供されることは、生理に対するそうした見方をなくすことにつながる可能性もある。
各国に広がる対策と支援
こうした状況を世界で最初に「問題」として認識した国の一つが、ケニアだ。同国は2004年、生用品に課される付加価値税を廃止した。2011年以降は、政府が毎年およそ300万ドル(4億1000万円)を支出して、低所得層の住民が多い地域の学校に生理用ナプキンを無償で配布している。
その他の国々も、同様の対応に乗り出している。ニュージーランドではジャシンダ・アーダーン首相が昨年2月、同年6月から、国内のすべての学校で生徒たちにタンポンと生理用ナプキンを無償で提供すると発表した。