また、スコットランドは今年8月に世界で初めて、生理用品を無償で入手する権利を法律で明文化した。その法律に従い、スコットランドでは現在、すべての教育機関と地方自治体の施設で、生理用品が無償で提供されている。英BBCによると、同国政府がこのために支出する金額は、年間およそ3200万ドルにのぼる。
一方、米国でも10年ほど前から、「生理の平等」が議論されている。この平等の権利を擁護する人たちは、地方自治体や州政府、連邦政府は生理用品を無償化するのではなくこれらに消費税を課すことによって、生理用品へのアクセスの不平等を助長していると主張している。
具体的には、矯正施設でも無償で提供していないこと、メディケイドなど低所得層を対象とする公的医療保険制度においても給付の対象となっていないこと、学校やシェルターでも一律に無償で提供されるものとなっていないことを指摘している。
米国では、こうした「生理の平等」の実現に向けての取り組みは、ニューヨーク市をはじめ、主に地域のレベルで行われている。だが、当然ながら包括的な変化をもたらすためには、連邦政府による取り組みが欠かせない。
ただ市場原理に任せていては、生理の貧困は社会全体の問題とは認識されず、誤解されたままになる。そして、女性は健康、さらには教育においても、損害をこうむることになり得る。
今後に向けてのより大きな問題は、この生理用品の無償化を目指す動きが、オランダやこれら各国にとどまらず、さらに広がっていくかどうかということだ。
(forbes.com 原文)