11月14日にNature Astronomyに掲載された研究は、宇宙最古の星々を観察し、恒星と惑星がいっしょに成長したことを示唆している。これまで、惑星は恒星がフルサイズになるまで形成されないと考えられていた。
太陽は、46億年前にガスの雲から形成され、惑星はその周囲で形成された。
「惑星がどのように形成されたかについてはかなりよくわかっていますが、1つ残されている疑問は、それが『いつなのか』という点です。親星がまだ成長している間だったのか、それとも何百万年も経ってからかのか?」とケンブリッジ大学天文学研究所のエイミー・ボンサー博士はいう。
アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)プロジェクトの電波望遠鏡アンテナ群。チリ、サンチャゴの北1500キロメートルほどに位置するサンペドロ・デ・アタカマのチャナントール台地にある(Getty Images)
研究チームは、チリにあるアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計を使って、惑星の構成要素である微惑星を探すために白色矮星(寿命を終えた太陽類似星の残骸)の大気を調べた。「いくつかの白色矮星が、研究室を驚かせました。その希薄な大気がまるで天空の墓場のようだったからです」とボンサーは述べる。
研究対象となった白色矮星は特殊で、その大気はマグネシウム、鉄、カルシウムなどの重い元素で汚染されている。著者らによれば、これらの元素は惑星形成時に生まれた小惑星が後に白色矮星に衝突し、その大気中で溶けたものに違いないという。
この論文によると軽い元素が表面に浮き、鉄が核に沈んでいくプロセスが、地球が鉄を多く含む核を持つようになった理由だという。
惑星形成は水素、ヘリウムおよび氷と塵の粒子が若い恒星を周回する環の中で始まったと一般に考えられている。塵粒子が結合して微惑星が出現し、時間とともに大きくなって小惑星あるいは惑星になる。
この研究は、ほぼ即座に微惑星が形成されたことを示唆している。「もしこれらの小惑星が、惑星系の始まりのごく短い時間しか存在しなかったものに溶かされたのだとすれば、その惑星形成プロセスはきわめて迅速に開始されなければなりません」とボンサーはいう。「私たちの研究は、惑星形成が早期に始まり、最初の天体は恒星と同時に形成されたという、この分野で高まっているコンセンサスを補うものです」
澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。
(forbes.com 原文)