マンタの世界最大生息地がエクアドルで発見、500匹以上に傷跡

エクアドル海岸沖のオニイトマキエイ(マンタ)の共同研究によって、世界最大数の個体が生息していることが確認された。14年間の研究期間に2800匹以上のマンタが特定された。クレジット:rook Peterson/Stocktrek Images/Getty Images

海洋大型動物財団(MMF)、エクアドル海洋大型動物財団およびマンタ・トラストの新たな共同研究論文が、オニイトマキエイ(通称「マンタ」、学名:Mobula birostris)が、エクアドル海岸沖に世界で最も多く生息していることを確認した。

極めて知能が高く、極めて絶滅のおそれが高いこの海洋動物は、その独特の外見から名づけられた(「マンタ」はスペイン語で毛布またはマントの意味)。世界中の熱帯、亜熱帯および温帯の海に住むマンタは、動物性プランクトンその他の小動物を大量に食べるフィルター・フィーダー(濾過摂食者)だ。世界最大のエイ種であるマンタは、彼らが海水からプランクトンを濾過するために使用する鰓板(さいばん、板状のエラ)を採取するために標的にされている。

2015年、野生動物保護 NGOのDefenders of the Wildは「マンタの鰓板1ポンド(約454グラム)が300ドル以上の価値になり、成体のマンタ1匹から最大15ポンドの乾燥鰓板を生産できます」と語った。それ以降世界の魚種資源が枯渇していることから、価格はさらに高騰している可能性が高く、漁師たちの目的は鰓板だけでなく体のほかの部分にもおよんでいる。

14年間の調査期間中、2800匹以上の個体が確認されたことは、チームにとって明るい材料だ。この集団の個体数と組成の特定に焦点を当てた研究者らは、摂食生態と行動パターンの把握に着手した。エクアドル滞在中にデータベース管理を担当したガイルズ・ウィンスタンリーをはじめとするどのチームメンバーも、当初はこれが世界最大の特定された集団になるとは予想していなかった。「それは、世界的に絶滅が危惧されている種に希望の光を与えるものでした」とMMF主任研究員、アンドレア・マーシャル博士がプレスリリースで熱く語った。世界中のマンタ個体数が減少する中でこの地域で大きな数が見つかったことは大きな励みになります」


漁網や釣り糸の絡みはマンタにとって深刻な脅威だ(Getty Images)
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翻訳=高橋信夫

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