マンタの世界最大生息地がエクアドルで発見、500匹以上に傷跡

エクアドル海岸沖のオニイトマキエイ(マンタ)の共同研究によって、世界最大数の個体が生息していることが確認された。14年間の研究期間に2800匹以上のマンタが特定された。クレジット:rook Peterson/Stocktrek Images/Getty Images


結果は有望であると同時に憂慮すべきでもある。これらのマンタのうち500匹以上に傷跡が見られて、主に漁網あるいは釣り糸の絡みが原因だ。これはこの海域における漁業による脅威が深刻であることを強調している。「この海域で糸の絡みがまん延していることにショックを受けました。毎年私たちは何度も何度も潜水を繰り返して、マンタから釣り糸や釣り針、ひどいときには漁網を取り除いています。ひどくもつれた漁網に絡まって糸が皮膚にめり込んでしまったマンタもいて、救出は非常に困難かつ危険でした」とマーシャルは説明した。「マンタを助けようとして私自身が糸に引っかかったり絡まれたこともあります。マンタと繋がった状態で海深く引き込まれることを常に心配しています」マーシャルはさらに、多くのマンタが忍耐強く協力し、冷静を保ち、ダイバーが助けている間中ほとんど泳がないことを詳しく話した。実際、何匹かの糸に絡まれたマンタは、チームに向かってまっすぐ泳いできて、まるで助けを求めているようだった!

この海域の糸絡み被害の多さは、漁業がマンタにとって深刻な脅威であることを改めて強調している。エクアドルでは2010年以来、マンタを保護しているが、研究チームはこの最新研究がさらなる保護の必要性に光を当てることを期待している。幸い、彼らの重要な居住地の保護を拡大、改善する取り組みが現在進められている。「私たちのチームは世界中のマンタを対象に活動していますが、このエクアドルの集団には特別な思いがあります。この領域でのマンタの研究を推進し、彼らの保護における中心的役割を担えたことを誇りに感じています。このような影響を与え、変化をもたらすことができるという気持ちが、私たちがこの一連の行動を続けられる理由です。エクアドルで過ごした時間にいつも感謝しています」とマーシャルはいう。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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