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2022.11.20 14:00

企業の責任ある事業系廃棄物処理を促進させるQuest

Getty Images

現代社会は大量のゴミを排出し、先進国でも廃棄物処理システムはその処理に苦慮している。プラスチック廃棄物のうち、実際にリサイクルされているのはごくわずかだ。多くの地域のゴミ埋め立て地は混雑しており、マットレスや衣類など、問題が多く、量の多い特定のカテゴリーを拒否するところも出てきている。

大量の生ゴミやその他の有機物が埋立地へ運ばれ、温室効果ガスであるメタンの排出につながっている。このように廃棄物は複雑で難しい問題であり、問題を大きく前進させるには、さまざまな緩和策を実施することが必要だ。廃棄物の問題はさまざまな事業に関わるものと、特に難しい消費者・家庭レベルの廃棄物に関わるものに大別される。

事業系廃棄物の領域に排出事業者、収集運搬業者、処理業者という3つの廃棄物プレイヤーのつながりを最適化することをビジネスモデルとしているQuest Resource Management Group(クエスト・リソース・マネジメント・グループ)という会社がある。Questは幅広い業種で活動しており、4万以上の廃棄物発生源と取引し、顧客企業からの廃棄物総量の70%を埋立以外のより良い選択肢に転換している。本記事は、Questが2007年の設立当初から取り組んでいる食品廃棄物などの有機物を含む廃棄物の流れに焦点を当てる。

現在、この作業は最大95%の有機廃棄物を埋立地以外の選択へ転換する「Quest Proganics(クエストプロガニクス)」と呼ばれる特許出願中のプロセスを含む、Quest内の多くの廃棄物方法を通じて行われている。

食品メーカーや流通業者、食料品小売業者、外食産業など、多くの企業が有機廃棄物を発生させている。主な廃棄物は包装された食品、包装されていない食品、植物類、紙類、ワックスされた段ボールなどだ。また、グリーティングカードも驚くほどの割合で定期的に発生するカテゴリーだ。Questは、これらの廃棄物を発生させる事業者と連携し、複数の拠点で、また多くの場合、複数の地域で活動している。Questは、各拠点に最適な回収業者や運搬業者を特定し、契約した上で、最適な処理を行うために拠点ごとの手配を行う。まだ食べられる食品がある場合は、クライアント企業がフードバンクに寄付することになる。その後、Questは飼料、嫌気性消化、堆肥化、最終手段としての焼却や埋立という米国環境保護庁の食品廃棄物に関する序列に従って処理する先を探す。Questの3社のクライアントだけで、10万トン以上の有機廃棄物を回収し、埋め立てないように再利用している。

クライアント企業は、廃棄物処理に責任を持ちたいと考えているが、それがビジネスの中心ではないので、Questのような専門業者に管理してもらうのがいい。さらに、Questはクライアントに、廃棄物の種類ごとの量と、その廃棄物がどのように処理されたかを詳細に追跡するデータを提供している。このデータは、ESGレポートやラベル表示の裏づけとして有用であることはいうまでもないが、クライアントの拠点に問題があることを警告することも可能である。例えば、食料品店の廃棄物が平均より多い場合、生鮮食品、肉、乳製品のバックルームクーラーの温度に問題があることが判明することがある。

ベストなシナリオは、私たち社会が廃棄物の発生量を減らす方法を見つけることだ。しかし、現実的には、廃棄物は今後も発生し続けるため、廃棄物を排出する側には、可能な限り責任を持って廃棄物を処理し、残存する資源価値を回収したり、環境への影響を最小化または排除するような方法で廃棄物を処理することが求められている。Questのような企業は、そのような目標を持つ企業に対してガイダンスを提供している。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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