しかし労働力は拡大・多様化していて、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)と呼ばれるソフトウェアの「ボット」も含まれるようになっている。RPAボットは通常繰り返されることが多い作業システムやプロセスに関わる手順を把握し、その実行、管理、およびその後の報告を行うことを任務としている。
例えば記入形式ベースのアプリにユーザーの詳細を入力するなど、ソフトウェアアプリの使用にともなう反復や定義、定量化が可能なタスクの場合、ソフトウェアボットは目下の業務に関わる雑務や単調な骨折り仕事を引き継ぐことができる。
しかし、ソフトウェアボットの仕事も永遠には続かない。
ありがとう、ロボット
では、なぜボットを「殺す」必要があるのだろうか。なぜボットは、ラスベガスの年金生活者のように「現役時よりはゆっくりと働く」とならないのだろうか。
米ソフトウェア会社Pegasystems(ペガシステムズ)のデジタルオートメーションおよびロボティクス担当副社長フランシス・カーデンによると、RPAボットは往々にしてまず主に既存の古いアプリで既存のプロセスを自動化するために作成されることが多い。しかし、知的なオートメーション時代には、これらのアプリやプロセスは完全にデジタル化されているため、それほど多くのRPAボットを必要としなくなる。
「このシフトは悪いことではない。古いアプリとプロセスは、過去数十年のコンピュータ化時代に人々の働き方を自動化するために作られた(銀行の照合や口座開設、新しい保険や電話プランへの加入など)。これらの『コンピュータ化された』古いプロセスを最適化するために、人間が昔やっていたこと、古いやり方を自動化するのにRPAが使われる。以前はよかったが、このデジタル革命では新しいプロセスはまずデジタルで構築され、RPAを使用しなくても適応性が高く、何にでも接続できるようになる」とカーデンは説明する。
ロボットの引退はあらゆる分野で起こっている。デジタル変革への投資が拡大しているところでは、より速いペースで起こっている。
では、RPAの現状はどうなっているのだろうか。