生活費高騰の英国、3人に1人が消費期限切れ食品を口に

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生活費の高騰に見舞われている英国では、人々が節約のため、消費期限が過ぎた食品を食べたり、冷蔵庫や冷凍庫の電源を切ったりしており、食品基準庁(FSA)が消費者に警告を発する事態となっている。

同庁のアンケート調査では、食料品を買う金がないとの理由で消費期限が切れた食品を食べたことが過去1カ月間に少なくとも1度あった人は32%に上った。また電気料金が上がる中、冷蔵庫や冷凍庫の電源を切った人は18%だった。

回答者の半分近く(40%)は今後1カ月間の食費について心配しているとし、30%は過去1カ月間に食料品を買う金がなかったために食事を抜いたり食事量を減らしたりしたことがあったと答えた。

英国のスーパーの一部では今年、食品廃棄を減らす取り組みとして、品質保持期限(賞味期限)である「ベスト・ビフォア」の表示を多くの食品から削除しているが、消費期限である「ユーズ・バイ」の日付は守るべきとFSAは強調している。

賞味期限は通常、食品の質が下がり始める時期を指す。一方の消費期限は、その日以降に食べると健康を害する恐れがあるものだ。

FSAのエミリー・マイルス長官は「多くの人が現在、食費を捻出できるか不安に感じていることは理解している」としつつも、「冷蔵庫の電源を切ったり、消費期限を超えた食品を消費したりすると、食中毒を起こす可能性が高い」と指摘。「冷蔵庫の温度を5度以下に保つことで、食品の細菌増殖を防ぎ、最大限長持ちさせることができる」と説明した。

FSAのウェブサイトでは、食品の長期保存方法として、消費期限前にマイナス18度で冷凍させることが奨励されている。この温度になると食品内の化学反応を遅くし、細菌を休眠状態に置くことができる。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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