日本人はマスクが好き 「脱マスク意識調査」で見えてきたマスクに対する日本人の本音

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今年5月に厚生労働省が屋外ではもうマスクをしなくてもよいと宣言したものの、まだやっぱりみんなマスクをして歩いている。本当はみんな、どう思っているのだろう。

就職や転職に関する研究調査を行うJob総研は、「日本人の脱マスク意識調査」を実施した。それによると、屋外では45.6パーセントの人は無条件で着用し、53.6パーセントの人は状況に応じてマスクを着用していることがわかった。

この調査は、20〜100人以上の規模の会社に1年以内から10年以上勤める20〜50代の男女1011人を対象に、2022年10月12日から17日に行われた。どちらかといえば「する」人が合計で99.2パーセントであり、「着用しない」と明言した人はわずか0.8パーセントとわずかだ。ワクチンの接種回数が多い人ほどマスクを外すかと思えば、そうでもない。接種0回の人と4回の人とに変わりがない。

その理由のトップは、やはりコロナ対策(76パーセント)。国が大丈夫と言っても、まだまだ不安が残る。しかし、その下の理由を見ると、ちょっと面白いことがみえてきた。2位は「マナーとして」、3位は「習慣化している」、さらに、同調圧力、化粧やひげ剃りをしないで済む、マスクをしてるほうが楽、外すのが恥ずかしい、ファッションの一部といった理由が並ぶ。同調圧力は別として、どちらかと言うとマスクに肯定的な意見が多いのだ。

さらに、今後のマスク着用の意識については、無条件で着用する人の割合が減り、「状況に応じて」が増えるものの、「着用しない」は2.4パーセント止まり。また、これからもマスクをするという人の中で、コロナが収束するまでと答えた人が42.7パーセントともっとも多かったが、コロナと関係なく着用すると答えた人が18.3パーセントあった。

国がマスクを外しましょうと呼び掛けても、国民はなかなかマスクを外さない。調査でわかったのは、まだ不安だと感じている人が大多数ではあるが、マスクが好きだから着用するという人が意外に多かったことだ。コロナ前から日本人は花粉症やらインフルエンザの季節には自主的にマスクをしてきたから、マスクに抵抗がないのも事実。そこに、「化粧をしないで済む」、「楽だから」というコロナ禍でマスクの味をしめてしまった新マスク派が加わった。

ということはコロナ収束後、マスクをして歩く人はコロナ前よりも多くなるかもしれない。マスク屋さんには嬉しい傾向か。

文 = 飯島範久

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