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2022.10.26

「ESG」なしには生き残れない。世界中で注目される理由とは?

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経営者との会話やトピックスにおいて「ESG経営」がキーワードとなった2022年。今回は、持続可能な経営をする上で要となる「ESG経営」について、語りたいと思います。

2分で分かる! 人間の生態系から考える「ESG」


「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の3つの要素を考慮した経営をESG経営というのですが、この考え方を生態系で、あてはめると理解が深まるように思います。そして、なぜ経営者にとってMUSTであるのかも理解できると思います。

まず、Environment。これは「人間の体」と捉えてみましょう。人間は動かないと生命活動ができません。つまり、健康を維持しないといけない。会社の活動で考えるなら、「環境に配慮した仕事を推進しましょう」ということです。

次に、Social。これは、「人間の心」にあたります。人生や仕事を全うする上で豊かな心を持ちあわせていないと、時代遅れと思われるようになりました。「お金さえあれば、心がすさんでいてもOK」と思われていたのは、遥か昔のビジネススタイルです。

1990年代の流行語「24時間戦えますか?」のスタイルでは、令和の2022年、もはや社員はついてきません。つまり、「クライアントにも社員にも優しく。理念をもって社会貢献できる会社の姿勢」が問われるわけです。

そして、Governance。これは、「人間の頭」と考えてみましょう。頭とは、いわば脳神経系統にあたります。例えば、足に画鋲が刺さったり、熱い火に手が触れてしまうと、我々は、ひどいケガにならないように反射的に避けます。会社に例えるなら、不正会計がまかり通っていたり、風評被害があったり、経理が資金を持ち逃げしてしまうと、会社は大ケガをしてしまいます。

大切なことは、経営者がそういったケガの予兆に気づけるかどうかです。これからは「会社に損失を与えるリスクを瞬時に察知して、正しい方向に導く指導力、そもそもそういった問題が起きない仕組み作り」がより一層求められることでしょう。

ここで、このESGの3つを超シンプルに整理すると、ESGのE=環境保全(体)、S=社会貢献(心)、G=内部統制(頭)、となります。人間が健康な状態を維持するには、体も心も頭もどれも必要です。同じようにこれからの時代の会社経営においても外せないのが、この3つ。令和の経営者が危機感を伴って改善していくべきキーワードが垣間見えてきたわけです。
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文=中村麻美

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