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2022.10.26 14:30

「ESG」なしには生き残れない。世界中で注目される理由とは?


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ラーニングエッジ代表取締役・清水康一朗

SDGsの未来にあるものとは?


大企業から個人事業主、消費者にいたるまで、一般用語として浸透したSDGs。ご存知の通り、2015年9月25日に国連総会で採択された「持続可能な世界を実現するために、共通の目標やターゲットを定めた2030年までの17の国際目標」です。

改めて17項目を確認してみましょう。1:貧困をなくそう。2:飢餓をゼロに。3:全ての人に健康と福祉を。4:質の高い教育を。5:ジェンダー平等の実現。6:安全な水とトイレを世界中に。7:エネルギーを皆に。8:働きがいも経済成長も。9:産業と技術革新の基盤を作ろう。10:人や国の不平等をなくそう。11:住み続けられる街作りを。12:作る責任、使う責任。13:気候変動に具体的な対策を。14:海の豊かさを守ろう。15:陸の豊かさも守ろう。16:平和と公正を全ての人に。17:パートナーシップで目標を達成しよう。

この17項目は、一見ごく当然のことが掲げられているかと思われますが、経営目標として、以前、指標とされていた「CSR」との比較をしていきましょう。「CSR」とは、Corporate Social Responsibility。つまり「企業が果たすべき社会的責任」のことです。やらないといけない感が強調されたCSRに対し、SDGsは、能動的に、自らやらないと生き残れないMUSTさが際立っています。結果、SDGsを網羅していたESG経営が脚光を浴びたのです。

ESG経営の4つのメリット


では、具体的に、ESG経営に取り組むと、どのような「よいこと」があるのでしょうか?

1つめには、ESGスコアが高い企業には、投資家の注目が集まります。よって投資家からの資金調達がしやすくなる。2つめは、株価が上がりやすい。つまり、時価総額を上がりやすい。

そして3つめは、優秀な人材が集まりやすくなります。昨今の経営者、特に中小企業の経営者から寄せられる悩みのトップは、「人材不足」。世の多くの求人希望者は、ESGを大切にしている会社で働きたいと願っているのが本音です。以前ビル・ゲイツに「上位20人の幹部が他の会社に転職したなら、マイクロソフト社は、普通の会社に成り下がってしまう」と言わしめたほど、人材とは財産そのものだからです。

そして、4つめは、昨今のコロナや国際紛争、急な円安など、想定外の出来事が突然起こった時にも、冷静に判断できるリスクセンサー能力が高まること、です。このリスクセンサー能力によって、周囲の信用獲得コストが高まります。

ダウ平均にまで影響するESG経営


このように、ESGは、今や経営を語る上でなくてならないものになりました。「Life Wear」を掲げるユニクロ(ファーストリテイリング)は、プラネット(地球環境)、ソサエティ(地域社会)、ピープル(個性)を3本柱として取り組んでいます。

また、自動車メーカーの日産が電気自動車シェアの拡大に踏み切り、その結果、2000年から2022年までに二酸化炭素の排出量40%削減が実現。こんな一例は、ごくわずかで、サステナビリティが会社の評価に関わっている時代に突入した現在。ダウ・ジョーンズが「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」と言われる指標を掲げている事実からも、経営者がESGをチェックされる時代が確実に到来したといえるでしょう。

文=中村麻美

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