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2022.10.18 14:00

元会計士が創業、世界初のサステナブルなバニラを提供する「Heilala」

Getty Images

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持続可能性と聞いて最初に思い浮かべるのは、子どもの頃からいつもキッチンの食器棚にあるバニラエッセンスではないかもしれない。しかしよく考えてみると、バニラはクッキーやケーキ、アイスクリームやヨーグルトなど私たちが大好きな食べ物の多くに使われている。

2002年創業のHeilala Vanilla(ハイララ・バニラ)は、その優れた風味からミシュランの星を獲得したシェフや一般家庭に愛用されるメーカーに急成長した。そして同社はこのほど、環境や社会に配慮した企業を認めるBコーポレーション制度の認証を受けた世界初のバニラメーカーとなった。菓子・製パン業界で同認証を取得している企業は全体の10%にすぎないことを考えると特に注目に値する。

ニュージーランドの支援プロジェクトとして始まったHeilala Vanillaの商品は現在では米ニューヨークの高級レストラン「Gramercy Tavern(グラマシー・タバーン)」や「Eleven Madison Park(イレブン・マディソン・パーク)」「Panna Cafe Ice Cream NYC(パンナ・カフェ・アイスクリーム NYC)」「Birdies Austin (バーディーズ・オースティン)」などのシェフに使用されている。バニラというと退屈で味気ないものと思われがちだが、Heilalaのバニラ製品は複雑で豊か、そしてはじけるような風味があると評価されている。洗練されていないが職人技的、そして高度に科学的なプロセスにより、旧態依然としたバニラ業界に革新をもたらした。

また、Heilalaはトンガ王国の生産者コミュニティを支援することにも熱心で、地域社会にチャンスを生み出す提携を通じて400戸のバニラ農家を支援している。生産者たちはランの苗を育て、1つ1つの花に手作業で受粉し、さやを収穫してバニラ製品を製造している。同社は栽培から製造、販売まで全過程を手がけるユニークな企業だ。

Heilalaは廃棄物ゼロの独自のプロセスを確立し、従業員に生活費を支払い、10年以上にわたってトンガのインパクトプロジェクトに投資し、従業員とその農村地域に水道水、住宅、教育へのアクセス、そして雇用を提供することでBコーポレーションの認証を獲得した。2025年までにカーボンニュートラルを実現することも約束している。

Heilala Vanillaの最高経営責任者(CEO)で共同創業者のジェニファー・ボギスは、創業前は会計士だった。「もともと会計が得意で、大学卒業後はなんとなく会計の仕事に就いた」とボギスは話す。「だが、何か物足りなさを感じていた。そこで、もっと情熱的になれるような天職を探すのに多くの時間を費やした。ビジョンを描くムードボードを作ったり、転職探しのガイドを求めて予知能力者のところへも行った」
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翻訳=溝口慈子

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