1981年にIBMが初めてPCを発売すると、法人向け需要が高まった。当初、PCの価格は高額だったが、IBMが最初の表計算ソフト「Visicalc」をリリースすると、大企業や中堅企業は財務資料の作成を自動化するためにこぞってPCを導入するようになった。
1983年にコンパックやHPがPCの販売を始め、1980年代後半にデルが直販戦略で参入すると競争が激化し、PC価格は下落した。一方で、文書作成やデータベース管理などの新しいプログラムにより、法人向け売上は順調に伸びていった。
1992年にCD-ROMドライブが普及すると、学習向けやハイエンド寄りの消費者需要が増えた。1996年にノートパソコンが登場すると、PCの需要は飛躍的に伸びた。
2000年代半ばには、PCの販売台数は年間3億2500万台に達し、PCはビジネスや教育、消費者にとって不可欠なツールとなった。しかし、PCの販売台数は、2007年に年間2億6000万台まで減少し、2009年も2億7500万台にとどまった。2010年には、ウィンドウズの入替え特需と景気回復により約3億4600万台まで回復した。
その後、PCの販売台数は2020年まで2億7500万~2億8000万台程度で推移したが、新型コロナウイルスの感染拡大や在宅勤務の義務化などによって2020年は3億260万台に増加した。2021年には、対前年比14.8%増となる3億4880万台を記録し、2012年以来の高水準となった。
IDCは最近、PCとタブレット市場の予測を更新した。「Worldwide Quarterly Personal Computing Device Trackerの予測によると、PCとタブレット市場には激動の時代が待っている」と同社は述べている。IDCは、2022年の世界出荷台数を、PCが12.8%減の3億530万台、タブレット端末は6.8%減の1億5680万台と予測し、インフレや世界経済の減速、過去2年間の販売急増を減少の主な要因に挙げている。