CNBCの報道によれば、ウォルマートがこうした実験的な取り組みに乗り出す理由は、新たな方法で買い物客にリーチし、パンデミックを経て変化した購買習慣に刺激をもたらすためだ。ソーシャルメディア、アプリ、ゲームプラットフォームを通じて、消費者のエンゲージメントを獲得しようとしている。
ウォルマートのマーケティング責任者ウィリアム・ホワイトによれば、同社は今回の実験の舞台としてロブロックスを選んだが、メタバースや、その延長線上にある世界への進出にあたっては、その他の方法も検討しているという。
今回の取り組みは、次世代の消費者を念頭に設計された。ターゲットとしているのは、おおむね25歳未満のZ世代消費者だ。ホワイトは、今回のパートナーシップから多くの教訓が得られるだろうと語る。
ホワイトの語るアプローチは、ウォルマートにとっては斬新なものだ。「カルチャーについて行われている会話のなかで、どのように存在感を発揮していくのか。コミュニティとエンゲージメントをどう発展させるのか。若いオーディエンスから見たブランドの好ましさをどうやって引き上げるのか。こうしたことを、(メタバース進出を通じて)達成したいと考えている」と、ホワイトは述べる。
ウォルマートは2022年、メタバース関連の商標登録をおこなったこともすでに発表している。商標のなかには、バーチャル商品の販売や、仮想通貨やNFT(非代替性トークン)の発行に関するものも含まれている。
同社はこれまでにも、TikTokとYouTubeで「ショッパブル(商品購入が可能な)・ライブストリーミング・イベント」を実施してきた。また、メディア企業メレディスとの提携による料理レシピの開発もおこなっている。
メレディスは、オール・レシピズ(Allrecipes)、ペアレンツ(Parents)、ベター・ホーム&ガーデンズ(Better Home & Gardens)といったバーティカルメディアを運営するメディア企業だ。こうした取り組みにより、ソーシャルメディア、アプリ、ゲームウェブサイトを通じた消費者エンゲージメントの獲得を目指している。