1990年代後半には、イギリスの地球物理学者ロイ・リバモアが「Novopangae」(ノボパンゲア)と名づけた超大陸を提唱した。そこでは、すべての大陸が統合され、極から極まで伸びる大きな陸塊が形成されている。
2016年には、アメリカの研究者が「Aurica(オーリカ)」という名の未来の超大陸を提唱した。AuricaはNovopangae仮説とほぼ同じだが、こちらのモデルでは、大陸は赤道付近に集まって1つの陸塊を形成する。
そして最新の超大陸仮説が「Amasia」だ。大西洋が徐々に広がっていくことから推測して、アメリカ大陸が西に移動し、オーストラリア、シベリア、ユーラシア、アフリカと衝突することによって、太平洋が閉じていくと予測する研究者が登場した。地殻の断層に囲まれた南極大陸だけが孤立したままとなる。
太平洋は、7億年前に前の超大陸が分裂してできたPanthalassa(パンサラッサ)超海洋の名残だ。地球上で最も古い海であり、恐竜の時代の最大サイズから縮小を始めている。現在、1年に数センチずつ縮小しており、現在の約1万キロという大きさから、閉じるまでには2〜3億年かかると予測されている。
共同研究者であるカーティン大学地球惑星科学部のジョンション・リー特別教授は、全世界が単一の大陸塊になることで、地球の生態系と環境は劇的に変化すると述べている。
「Amasiaが誕生することで、地球は大きく変わるでしょう。海面は低くなり、超大陸の広大な内部は極度に乾燥し、1日の気温差が大きくなると予想されます」とリー教授はいう。
「現在地球は7つの大陸からなり、生態系も人間の文化も大きく異なっています。なので2億年から3億年後の世界がどうなっているかを想像することはとても興味深いですね」
論文『Will Earth’s next supercontinent assemble through the closure of Pacific Ocean?』(次の地球の超大陸は太平洋が閉じることで形成されるのか?)はNational Science Review(2022)に掲載された。
(forbes.com 原文)