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2022.10.04 12:35

進むテキーラのプレミアム化 出費惜しまない消費者がけん引

Getty Images

あなたは、最近好んでテキーラを飲んでいるだろうか? 暑い日にパロマを飲んだり、夜の終わりに元気をもらえるマルガリータや、エクストラアネホを少々飲んだりしているかもしれない。

それはあなただけではない。市場調査会社CGA・バイ・ニールセンIQ(CGA by NielsenIQ)の新たな報告書からは、高級ウイスキーよりもテキーラを選ぶ人が増えていることが分かっている。

アガベを原料とするテキーラは最近、1つ以上の価格帯でウイスキーやウオッカを上回る成長を見せている。

アイルランドの市場調査会社リサーチ・アンド・マーケッツ(Research And Markets)からも、それを裏付けるデータが発表されている。世界のテキーラの市場規模は、2028年までに約143億5000万ドル(約2兆700億円)に達し、この期間の年平均成長率(CAGR)は5.4%になるとされている。

同社は、この成長を最もけん引しているのがラーンチウオーターやパロマ、オアハカ・オールドファッションドなどのテキーラを使ったカクテルだと考えている。テキーラを飲む人の50%はカクテルとして飲むのを好んでいて、ショットを好む人は42%、ストレートを好む人は20%だった。

CGAの分析では、テキーラを使ったカクテルの需要が主にミレニアル世代の間で増えていることを背景に、ブランコのテキーラが最も急速に成長することが見込まれている。

CGAで南北米顧客ソリューション責任者を務めるアンドリュー・ハメルは「テキーラの人気や成長はこれからも間違いなく高まり続けるだろう」と述べている。蒸留酒のうち18%を占めるテキーラは、蒸留酒分野でシェアの成長率が1%を超える唯一のサブカテゴリーだ。

テキーラが大きな成長を遂げている最大の要因はプレミアム化にある。アルコール飲料業界では広範囲で高級化が進んでいるが、テキーラは特にプレミアムやスーパープレミアムの価格帯で最も勢いがある。アルコール飲料販売サイトのドリズリー(Drizly)は、ブランコの最小在庫管理単位(SKU)が昨年10.5%増え、レポサドは11%、アネホは15%増えたと指摘している。

米国蒸留酒評議会(DISCUS)のデータからは、高級蒸留酒の売り上げが昨年43%成長したことが示された。主なけん引要素はテキーラと米国産ウイスキーだ。

米市場で最も成長したのはテキーラ(年間成長率75%)で、その後には米国産ウイスキー(46%)とコニャック(31%)が続いた。北米でのテキーラの売り上げは2002~16年の間に着実に増加し、売り上げは2016年に最高記録の223億ドル(約3兆2000億円)に達した。
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翻訳・編集=出田静

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