世帯収入が10万ドルを超える家庭の学生の多くにも追加の学資支援を提供する。大学に通う複数の子どもを持つ高所得家庭の学生も対象。学資援助の拡充で世帯収入15万ドル(約2140万円)以下の家庭が恩恵を受けることになる。
学資援助の新方針は2023年秋から全学部生を対象に適用される予定だ。
同大学の学長クリストファー・L・アイズグルーバーは「プリンストン大学の価値の1つは、さまざまなバックグラウンドを持つ優秀な学生が教育を受けられるだけでなく、在学中そして卒業後に活躍できるよう取り組んでいることだ」と発表で述べた。「本大学の卒業生や関係者の持続的な支援により実現した今回の学資援助制度の拡充は、在学中の学生の経験、そして卒業後の選択肢と影響力を広げることになる」
同大の同窓会雑誌「Princeton Alumni Weekly」によると、2021〜22年は同窓生から過去最多の寄付があり、年間を通じた寄付を募る活動で8180万ドル(約116億円)が寄せられ、前年を1300万ドル(約19億円)超上回った。
新しい学資援助制度が現在と異なる点は以下のとおりだ。
・世帯年収10万ドル未満の家庭のほとんどは授業料、寮費、食費、書籍代が免除となり、従来の基準である世帯収入6万5000ドル(約930万円)から大幅に引き上げられた。学部生約1500人がこの援助を受ける見込みで、これは全学部生の25%以上に相当する
・通常、夏休みの貯金やキャンパスでの仕事を通じて稼ぐ3500ドル(約50万円)の学生負担金も廃止される予定。学生負担金を廃止することで、学生は夏期・学期中に留学やその他のカリキュラム・課外活動を行う機会を増やすことができる
・学資援助の計算方法を簡素化し、学生や家族が容易に入手できる情報をもとに援助額を計算できるようにする
・発表に添付された図によると、年間世帯収入が15万〜30万ドル(約2140万〜4280万円)の家庭の学生が受けられる学資援助は年1万1000〜1万5500ドル(約160万〜220万円)の範囲で増加する
プリンストン大学は2022〜23年の学費を7万9540ドル(約1130万円)としており、その内訳は以下のとおりとなる。
・授業料:5万7410ドル(約820万円)
・寮費:1万960ドル(約156万円)
・食費:7670ドル(約110万円)
・雑費:3500ドル(約50万円)
プリンストン大学では現在、学部生の62%が学資援助を受けており、平均援助額は6万2200ドル(約887万円)。
(forbes.com 原文)