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2022.09.12

高価な宝石より「NFT」がほしい? VERBALが語る若者とWeb3

(左から)シトウレイ、VERBAL


リアルでもNFTでも所有できるスニーカー


シトウ:6月には、ニューヨークで開かれたNFT NYCで、リアルなスニーカーと、そのNFT対応品を3足限定発表されていました。その話も聞きたくて。

面白いなと思ったのが、リアルなスニーカーとNFTとを両方制作されたところ。これはどういう流れでつくることになったの?



VERBAL:僕は元々すごいテック好きなんですけど、ファッション業界ではあまり需要がないじゃないですか。「ブロックチェーンが…」と言っても理解されないというか。でも、例えばクレカ決済やECサイトでの買い物が当たり前になっていったように、今後ブロックチェーンを使わないと売れないものが今後出てくると思うんです。

だからこそ、リアルにライフスタイルに馴染んでいるものとNFTをくっつけたらどうなるか、実験的にやってみたいなと思って。若者にもわかりやすいスニーカーを選んで、3Dプリンターをつかってつくりました。

特に今回はNFT NYCへの出展だったので、多くの方が関心を持ってくれました。これをパリのファッションウィークでやっていたら「?」だったかもしれませんね。

シトウ:素材もおもしろい!

VERBAL:サンダルに使われるような柔らかい素材でできてるんですけど、それを供給してくれたのが、ドイツのスタートアップZellerfeld(ゼラーフェルド)だったんです。個人的にも彼らのテクノロジーがすごく好きだったので。社長が27歳というスタートアップなのですが、ずっと何か一緒にやりたいよねって話をしていたんです。

僕らは、リサイクルできる素材をつかって、ボロボロになった靴を提出したら、また新しいものに変えてくれるという仕組みをつくろうとしています。

あとNFT対応品についてですが、これが付属することでNFT自体が保証書みたいになります。今回は3足限定でしたが、世界で3足しかない「本物」であることを証明することができます。

シトウ:なるほど! 誰かがデザインを真似したモノをつくっても、偽物だとわかると。じゃあ、もういらなくなったよ、となって手放したいときは、NFTと一緒に譲渡しないといけないということですね。

VERBAL:そうですね。NFTもトランスファーさせる必要があります。今後、そうやってリアルなものをバーチャルで保証する制度ができてきたとき、ウォレットを持っていないとつらいかもしれませんね。

シトウ:バーチャルとリアルをこういうふうにつなげばいいんだ、って腹落ちしました。
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聞き手=シトウレイ 構成=田中友梨 撮影=杉能信介

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