ビジネス

2022.09.12

高価な宝石より「NFT」がほしい? VERBALが語る若者とWeb3

(左から)シトウレイ、VERBAL


VERBAL:そして、3月にメタバース「AMBUSH SILVER FCTRY」を開設しました。まずは自分たちの基地をつくって、僕たちの伝えたいことを伝えられる空間をつくろうとしたんです。


「AMBUSH SILVER FCTRY HALL」

フィジカルの実店舗と同じで、それを見た人が、AMBUSHってこういうブランドなんだと理解すれば、後から百貨店のような大きな館の中でワンラック、又はお店をオープンした時にも、「AMBUSHってこうだよね」ってわかると思うんです。自分たちのトンマナと世界観を伝えるために、自分たちでメタバースをつくりました。

そして、その中でまた新しいNFTを発行したんです。99個限定の「POW! "GLOW IN THE DARK" (GITD)」というもので、メタバースの中でゲームをクリアした人しかゲットできないものでした。そのメタバース空間でしかゲットできないものをつくって、お客さんに来ていただけるようにしたんです。



シトウ:「AMBUSH SILVER FCTRY」は期間限定でしか開放されないんですよね。どうしてそうしたの?

VERBAL:イベントがあるときだけオープンしたほうが、お客さまも来やすいと思って。具体的には、NFT NYCやコーチェラのときに期間限定でオープンしたんですが、そうするとトラフィックが集中するので、入ってくる人たちが楽しめるんです。好きな人がライブしてるから行って、みんなと楽しい時間を共有できる、そういった場所にしたかった。

サードパーティの場所に自分たちの空間つくるのは、土地を買って上に家を建てるのと同じような作業が必要になるので、お金と時間がかかります。だから僕たちはまず独自で基地をつくって、自分たちの伝えたいことを伝えられる空間をつくろうと考えました。

シトウ:2月に2022個限定で発売した「POW! “Reboot”」(価格は0.1ETH)は2分ほどで売切れ、二次流通でも約1000回ほど取引が成立していると聞きます。こうした、リアルでは身に着けられないNFTファッションアイテムのマーケットを、VERBALさんはどんなふうに見ていますか。

VERBAL:メタバースもTwitterなどのSNSと似たところがあって、ある程度慣れているユーザーは、自分のアバターと周りとの「差別化」を意識するようになるんです。そのために必要なアイテムがファッションです。

よっぽど気にしてない人で、年中「短パンにビーサン」って人もいますが、大体の人は気分に合わせて変化をつけるんです。例えばハイブランドが参入していれば、それを着ることでそのブランドのファンであることもアピールでき、他のファンと共鳴できるかもしれません。

シトウ:例えばラーメンが好きだったら、アバターにラーメンを持たせるとか?

VERBAL:ありますね!僕やパートナーのYOONも、おしゃれに着飾ることもあれば、ほっといてもらいたいときは、ハゲたおじさんのアバターにポロシャツやミニスカートを履かせたりすることもあります(笑)


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聞き手=シトウレイ 構成=田中友梨 撮影=杉能信介

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