創造性、知恵、親密さにおける男女差は「思い込み」の産物

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多くの人が、男性と女性は根本的に異なる生き物だと考えている。それに、男女には生物学的な違いがあるのは事実だ。しかし、それらの違いは誇張されているのではないだろうか。

幸いなことに、私たちの手には想像から事実を選別し、必要に応じて性の尺度を再調整できる「科学」がある。

ここでは、多くの人が想像しているよりも、男性と女性の違いが少ないことを示す3つの話題を紹介しよう。

創造性について


心理学の研究によると、創造性は以下のような資質から構成されることがわかっている。

1. リスクテイクのレベル
2. 現状に挑戦し、ユニークで斬新な解決策を打ち出す
3. 自分の意見を持ち独立している

バッファロー大学経営学部の心理学者スネハル・ホラによると、これらの資質が一見男性的であるために「創造性は男性の仕事であるというのが一般的な認識」とされているのだという。「創造性を必要とする仕事において、女性の関与がシステム的に少なくなっていることで、過小評価されているのです」

だがそれは、女性が本質的に創造性に欠けることを意味しているのだろうか? 『Journal of Applied Psychology(応用心理学誌)』に掲載されたホラの研究によると、まったくそうではない。

彼女の研究によれば、女性は男性と同等の創造的能力を持っているにもかかわらず、男性の方が女性よりも創造的パフォーマンスが高いと評価されてきたことがわかった。なぜなら、女性は通常、以下のような制約を受けているからだ。

1. 自分自身の内面的な性別役割分担意識
2. 世の中で男性的な活動であると認識されていることに関わることで経験する反発

このアンバランスを解消するために重要なことは、女性にこうした内面的なジェンダーバイアスを自覚させ、克服させることだとホラはいう。

そして「組織やリーダーは、女性が安心して創造性を発揮できるだけでなく、自分の創造性を正しく評価できるような、適切な対策や環境を提供する必要があります」と説明する。「今回の研究結果から、男女平等主義、優しさ、平等、他者への配慮を育む環境は、女性や男性の創造性を高めるために有効であると考えられます」

知恵について


精神科医のディリップ・ジェステによれば、知恵にはいくつかの要素があるという。

・共感または思いやり
・感情のコントロール
・内省
・不確実性の許容
・多様な視点の受容
・決断力
・指導を求めて来る人への助言
・スピリチュアリティ(見えない / 聞こえない存在と常につながっている感覚)

ジェステがこのテーマで『Frontiers in Psychology(心理学最前線)』に発表した最近の研究では、以下のことが明らかになった。

1. 女性は、思いやりをはじめとする社会親和的な知恵の構成要素や、内省でより高いスコアで示した
2. 男性は決断力のスコアが高く、感情のコントロールが上手であることが示された
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翻訳=酒匂寛

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