販売業者やブランドは、こうした情報から何を得ることができるだろうか?
おそらく、ソーダがこれまでになく身近に感じられていることだろう。世界の炭酸ソフトドリンク市場の規模は2020年、約2215億5000万ドル(約30兆8000億円)と推定されていて、2021年には約2370億400万ドル(約32兆9000億円)に達することが見込まれている。
またデータ企業グランドビュー・リサーチは、世界の炭酸ソフトドリンク市場の規模が2021年〜28年の間に4.7%の複合年間成長率(CAGR)で拡大すると見込んでいる。
同社の報告書は、「現代の消費者は便利さに焦点を当てていることが見受けられるため、毎日の買い物の大きな部分を占めるのは従来の大量購入型商品ではなく、持ち運びが便利な単一商品だ」と指摘し「このことから、再生可能かつクリーンな素材で作られ保存料や化学物質が少ない、常温保存可能な革新的商品や環境に優しい包装が生まれている」と続けた。
ソーダ分野のフレーバーは、以前は単一的で、一目で分かるラベルが貼られ家庭に浸透したブランドばかりだった。しかし現在では、これまでになく飲むのが楽しくなるような新たなクラフトソーダが多く提供されている。
英国のミキサー(割り材)ブランドのFever-Treeは2013年、「ドリンクの75%がミキサーなら、最高のもので割ってはいかが?」との売り文句で市場に突如出現した。同社の売り上げは約3億1110万ポンド(約500億円)に達し、前年から23%増えている。同社は成長の要因として、米国での「顕著な勢い」を挙げた。
ミキサーの分野では他にも、米女優ブレイク・ライブリーが作った「ベティー・バズ(Betty Buzz)」がある。これは可愛らしい小さなボトルに入った炭酸ソーダで、酒と混ぜるのにも非常に適している。また主要なビール醸造業者は、ビール界のノンアルコールソーダであるホップ水の製造を始めている。
アルコールを意識的に避ける動きが高まる中で、飲酒する人もしない人も、懐かしいコーラの缶のほど子どもっぽく感じられないものを求めている。こうした新たなブランドは、従来のソーダにまつわるあらゆる便利さに加え、大人のライフスタイルにより沿っていると感じられるフレーバーやデザインを提供している。
(forbes.com 原文)