結果として、まだ起きていないことに対するマイナス思考に囚われたり、自分ではどうにもならないことを心配してしまったりする悪循環に陥る場合もあるだろう。不安に基づく思考は、メンタルヘルスに悪影響を与え、被害者意識を助長し、物ごとを先延ばししたくなる気持ちを煽り、前進を阻む。
さらに悪いことに、そうした心配事は多くの時間を浪費するわりに、ほとんど利益をもたらさないという研究結果もある。米ペンシルベニア州立大学の研究では、心配事が現実になる確率は約8%に過ぎないことが示された。つまり、自分がストレスに感じている10の事柄のうち、本当に心配すべきものは一つにも満たないということになる。
これは大きな時間の無駄であり、その時間はキャリアのためにより生産的に費やせるはずだ。キャリアについて不安を感じるようなスパイラルに陥った時は、以下の3つを実践することをお勧めする。
1. 自分の力が及ぶことに集中する
起きてしまったことや起きなかったことに悩んだり、自分のキャリアに影響を及ぼしている状況を嘆いたりするのではなく、自分の力が及ぶものに集中すること。自分でコントロールできるのは、自らのマインドセットと、物ごとへの対応方法だ。
自分の力が及ばないものから解放されれば、受動的な被害者から、積極的かつ自信を持った自分へと自動的に変わる。前進を阻むものは外ではなく自分の内側にあり、これは自分で取り組むことができるものだ。
2. 行動を解決につなげる
起こり得る問題について心配したところで、解決にはつながらない。一方で、キャリアにかかわる懸念や疑念、恐れを払拭する確実な手段がある。それは、行動を起こすことだ。
現状を維持していては成長しないのが、悲しい現実だ。今の状態に留まっていると、不安がさらに増してしまう。静止しているものは静止し続け、動いているものは動き続けるというニュートンによる運動の第1法則は、キャリアにも当てはまる。行動はさらなる行動を呼ぶ。たとえ小さな一歩でも、時間を重ねると大きな前進になる。結果として不安が軽減され、自分がものごとをコントロールできているという安心感につながるのだ。