ハワイ移住成功者に共通する3つの特徴、「思いきり」「使いきり」「割りきり」

撮影 岩瀬英介


じっくり考えてしまうと、海外移住などできない。これが筆者の結論だ。振り返ってみれば、これまでインタビューしてきた移住成功者に共通するのは、ある意味の「思いきり」なのである。


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「考えることは山ほどあったけど、とりあえず来てしまった」「成功するかどうかまったくわからなかったけど、家を買って移り住んでしまった」「ビザのことなど考えず、先に子どもの学校を決めてしまった」。彼らからはこんな言葉をよく聞いた。

本当に、思いきりがいいのだ。「とにかくハワイが好きだから、長くハワイにいたい」そんな思いが先行で、その他の問題はあとから考える。こんな姿勢。破れかぶれかもしれないが、こんな前のめりの姿勢が意外に大事なのだと感じた。



もう1つ、「運を天にまかせる」という姿勢も多くの移住者から感じた。ビザの取得や就職などは運次第な面も多い。ましてや外国となればなおさら。「そこは悩んでも仕方ない、ビザが取れなかったらアメリカに縁がなかったということ」と考えて、任せてしまう。そんな人ほどうまくいっている。

逆に「どうしてもハワイに住みたい」と頑張る人ほど、何らかの壁にぶち当たって日本に帰国せざるを得なくなる。なぜかはわからないが、そんな傾向がある。こればかりはハワイの神さまのご機嫌を伺うしかない。

「使いきり」と「割りきり」


ハワイに住むという情熱で一歩を踏み出したならば、次に来るのが資金の問題だ。海外移住、とかくお金がかかるのは事実である。

例えば、クレジットカードの信用履歴がないので、住宅ローンで金利が高くなったり、携帯電話を契約するのにデポジットを取られたり。ビザ1つを取っても、申請費用に弁護士費用、そのほかさまざまな費用がかかる。

まず、米国に移住した後にホームレスになってもらっては困るということで、ビザ取得時に日本の銀行の残高証明の提出を移民局は求めてくる。また投資家ビザなどの場合、ハワイへの投資額がそのままビザ審査の基準になる。

移住資金は豊富なほうがいい。それを心して、日本で資金を貯めてほしい。ビザ取得や住宅取得で、それを惜しみなく使うことが必要なこともある。「使いきり」が必要なのだ。


最近再開した毎週金曜日のヒルトンの花火

それに、何かと訴訟社会のアメリカでは、何をするのも保険が必須。住宅を買う際にも賃貸する際にも住宅保険に入らなければならないし、自動車保険も日本より割高だ。会社やビジネスを立ち上げるなら、訴訟に備えて賠償責任保険に入る必要がある。経営者によっては、セクハラ保険やパワハラ保険など従業員から訴えられた時に備えて種々の保険に加入する人もいる。

会社にフルタイムで雇われた際には健康保険(医療保険)は会社負担で付与してくれるが、自身でビジネスを起こす場合や仕事をする予定がない場合には、健康保険も自費で入る必要がある。民間の保険会社に入るので、かなり高い。家族3人で月に1000ドル以上というのも、決して特別ではない平均的な価格だ。資金は余裕をもって計算しておく必要がある。
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文・写真=岩瀬英介(ハワイ在住エディター)

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