休暇中でも仕事の状況を確認するのは当然だと思われており、連絡を入れなければならないと感じている人が多いようだ。「休暇中であっても、職場に連絡することを上司に期待されている」と回答した人が60%に上ったほか、「休暇中は連絡不要という方針を会社が打ち出していても、実際には連絡しなければならないというプレッシャーを感じる」と回答した人は55%だった。
ただし、休暇中に職場と常に連絡を取り合っていても、それが有益というわけではない。それどころか、休暇中に仕事から完全に離れられなければ、ウェルビーイングと仕事の効率に、問題が生じる可能性がある。
休暇を取ると仕事がうまくいくようになるのは、休むことで、仕事の重圧が軽くなり、思考力が向上するからだ。また、視野が広がり、創造力が増し、問題解決力も上向く。仕事から離れると、肩の力が抜け、周囲から一緒に働きたい、支えたいと思ってもらえるようになり、同僚やリーダーとしてより好ましい人間にもなれる。
スカイノヴァ(Skynova)が実施した調査では、休みを十分に取れていると回答した従業員のうち、それによって生産性が向上したと答えた割合は58%だった。しかし、休みが不十分だと回答した従業員で、生産性がフルに発揮できていると回答した人は26%にとどまった。
仕事から完全に離れて休暇を楽しむためには
休暇を取って仕事から離れようとするときは、まず以下のような点を心がけよう。
#1 ─ 普段から高いパフォーマンスを発揮する
同僚たちから高い信頼を得ているときのほうが、休みを取りやすい。ということで、日ごろからベストを尽くして優れた業績を上げ、休暇を取るための下地を作っておこう。
会社やチームへの貢献度が高いと思われていると、そうした力を継続して発揮するには、休暇を取って仕事から離れる必要があることに誰も異議を唱えない。
#2 ─ 問題が起こらないよう準備する
休暇で職場を離れるときは、チームや会社に対して、休む期間と、そのあいだは連絡を入れるつもりがないことをはっきりと伝えておこう。休暇前には、自分が担当している仕事の手はずを整え、職務を代行してくれる人を確保しておかなくてはならない。
#3 ─ 仕事の通知やSNSをオフにする
休暇中は、スマートフォンの通知をオフにし、仕事を思い出させる余計な音が鳴らないようにしておこう。仕事関連アプリのアイコンを一時的に移動しておけば、あまり目に入らなくなるので、会社に連絡したほうがいいのではないかと考える頻度も減る。
また、仕事関係のソーシャルメディアも使用を避けよう。いっそのこと、ソーシャルメディアをすべて断ちたいと思うかもしれない。いずれにせよ、仕事を思い出させるものは使わないようにすることだ。