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2022.07.24 10:30

米飲食業界で高まる「悲観論」、大不況以来の水準に


利益率の低下は、事業に必要なものに充てる資金が減少することを意味する。北米の小規模事業者のオンラインネットワーク、米アライナブル・リサーチ・センターによれば、6月には同ネットワークに加入している飲食店の38%が、賃料を払うことができなくなったという。

インフレ圧力は、外食などの裁量的支出を減らすことにつながる。米市場調査会社NPDによると、特にZ世代の消費者は、年上の世代と比べてあまり外食をしていない。Z世代の購買力が1000億ドル(約13兆7000億円)近いことを考えれば、これは大きな問題だ。

米国の飲食業界は、これからどうなっていくのだろうか。どうなれば悲観論が大勢を占める状況が反転するのだろう?オートメーション化は、“特効薬”となり得るのだろうか?

注文やデリバリーに、Z世代が好むデジタル技術を採用している事業者は多い。また、若い消費者を取り込もうと、ゲーム制作・共有プラットフォームのRoblox(ロブロックス)や、メタバースを活用するブランドも現れ始めている。だが、販売チャネルを増やすには、今のところは人手を増やす必要がある場合が多い。

飲食店にとっての戦術の一つは、ただ辛抱強く、嵐が通り過ぎるのを待つことかもしれない。嵐は必ず、過ぎ去るものだ。

ただ、飲食店の経営者たちがいまと同じくらい悲観的になっていた2008年、売上高が回復するまでには2年あまりの時間かかった。残念ながら、店舗の賃料を払えない事業者が4割近くになっている現状では、希望の光はそれほど強く、明るいとはいえないかもしれない。

編集=木内涼子

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