ビジネス

2022.07.22

スタートアップW杯日本代表は「空飛ぶクルマ」のSkyDrive 9月に世界大会へ 

SkyDriveの福澤知浩代表

7月21日、シリコンバレーのVCであるペガサステックベンチャーズが主催する、スタートアップの世界一を決める「スタートアップワールドカップ2022」の日本予選が開催された。

10社がピッチを行い、決勝大会への切符を勝ち取ったのはSkyDrive(スカイドライブ)。

同社は日本初の公開有人飛行試験に成功した空飛ぶ自動車「AIR MOBILITY」を開発している。今年3月には機体の量産体制構築を目指し、スズキとの提携を発表した。そのほか、重量物を運搬するドローン「Cargo Drone」の開発も手がけている。

今回の予選では各企業が30秒のビデオでの事業紹介、3分半のピッチ、1分半の質疑応答を行い、9名が審査にあたった。

日本チャンピオンに輝いたSkyDriveの福澤知浩代表は「EVスタートアップが日本国内にあまりないなか、空飛ぶクルマというコンパクトなかたちであれば日本発でも勝負できるのではないかと思っています。今後は、本気でシリコンバレーでの優勝を目指して頑張っていきます」とその喜びを語った。

同社は9月28日から米・サンフランシスコで開催される世界大会に出場する。

本イベントでは豪華なゲストも集まった。

小池百合子東京都知事は「時代のニーズを機敏に捉え、次々と形にしていくのがスタートアップの醍醐味であり、それが社会の成長の起爆剤になります。その挑戦を東京都も支えていきます。(日本代表企業には)決勝戦では日本の代表として世界チャンピオンとなり、日本経済を活性化させるリーダー役になってほしい」と期待を込めた。

小池百合子東京都知事

ネットフリックスの共同創業者であるマーク・ランドルフ氏はビデオ出演。

「Netflixで学んだことは、良いアイデアを持つことではなく、アイデアをたくさん試すためのシステム、プロセス、カルチャーを構築することが重要ということです。常にイノベーションを起こし続け、うまくいかないことでも試してみるという姿勢は、私たちの学んだなかでも最も重要なことです」と話した。

ノーベル平和賞受賞者で、マイクロファイナンスで貧困者への少額融資を実現した、グラミン銀行創設者のムハマド・ユヌス氏もオンラインで登場した。

「ビジネスは利益の最大化と考えられる傾向があり、これが地球温暖化などの問題を引き起こしています。ビジネスをする際は、利益最大化のためにやっているのか、それとも社会的な目的のためなのかを自問自答するべきです。もしソーシャルビジネスをしたいなら、それを隠さず透明性を持って進めてほしいと思います」と話した。

特別賞として、ジャパネット賞には、小型で軽量の陽子線のがん治療機器開発に挑むビードットメディカルが、セガサミー賞は、顧客管理からアプローチまでのマーケティングをノーコードで構築できるツールを提供するUPBONDが受賞。それぞれに投資資金5000万円が進呈された。

文=江連良介 編集=露原直人

ForbesBrandVoice

人気記事