2010年に設立されたこのMetaは、小規模ながらライブで多感覚のアート体験(時には仮想現実や拡張現実の技術を取り入れたもの)を制作・推進し、ナショナルジオグラフィックからインテルまで幅広いクライアントを相手にしてきた。
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「Meta」はわれわれ努力の結晶だった。アイデンティティが奪われたのだ
同社の告知文には次のように書かれている。
「2021年10月28日、フェイスブックは、私たちが12年以上にわたって血と汗と涙を流して築き上げたMetaマークと名前をいわば『押収』した。世界で最も強力な企業の1つが、予告なしに私たちのアイデンティティを奪ったのだ。
8カ月間、フェイスブックと誠実に交渉しようとしてきたが無駄だった。本日、フェイスブックに対して訴訟を起こす以外、道はなくなった 」
法廷での論点は? 小規模Meta社の勝算はいかに
昨年10月、フェイスブックはブランド名を変更し、「Meta」と名付けた。
フェイスブックは、特にユーザーのプライバシー保護に関しては、世間一般に対して最高の実績を持っているとは言えない。「メタバース」を確立しようとする同社のディストピア的な取り組みも、そのイメージの助けにはなっていない。
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米国連邦地裁に提出された訴状の中で、小規模のMeta社は、「フェイスブックのブランドイメージにはある種の毒性がある。そしていまや、『Meta』の名前はフェイスブックと関連していると消費者が誤解する可能性が高くなった以上、METAマークの下ではわが社は商品やサービスを提供できなくなる」と主張している。
旧約聖書にある、「ダビデ対ゴリアテ」を思わせる対決ではある(少年ダビデは、石1つで巨人ゴリアテを倒したとされる)。なにしろフェイスブックが社名を変更するずっと前に設立されているのだから、小規模なMetaにはそれなりの言い分があるかもしれない。しかし、フェイスブックのような巨人を法廷闘争で打ち負かすのは容易ではないだろう。
(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものである。)