地上を走る戦闘機、ランボルギーニ レヴェントンのコクピットは誰の手に?

ランボルギーニ レヴェントン

人間は太古の昔より空を飛ぶことを夢見てきた。かの天才レオナルド・ダ・ヴィンチもフライングマシンを構想し、鳥にしか見えない角度から世界を眺めることに憧れ続けていた。ダ・ヴィンチがフライングマシンを構想した約400年後、ライト兄弟が1903年に初となる有人飛行を成功させ、それから飛行機の技術は、飛躍的に進化していった。

その進化の最先端を飛んでいる航空機。飛行機の世界において、最新鋭の技術を搭載したスーパーカーのような存在といったら、戦闘機が頭に浮かぶのではないだろうか。先日、スカイアクションムービー『トップガン』の新作が公開され大ヒットしているように、戦闘機には深い魅力があることは言うまでもない。もしも戦闘機のような類い稀なスペック、機能美やずば抜けたカッコよさを持ち合わせた車が存在したら…。

この約15年間でヴェネーノLP750-4やシアンFKP37など、ランボルギーニはさまざまな限定車を発表してきた。カウンタックやミウラの時代にも、特別な顧客によるオーダーメイドのスペシャルモデルは存在したが、ディアブロSE30などのカタログモデルから派生した限定車を除けば、ランボルギーニが台数限定で売り出した完全限定モデルなどは存在しなかった。

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そんなランボルギーニが初の超限定モデルとして発売したのがレヴェントンだ。レヴェントンはいわばスーパーカーと戦闘機の間に生まれた子供である。

2007年のフランクフルトモーターショーでコンセプトカーとして登場したレヴェントン(クーペ)は、ムルシエラゴをベースとした20台限定のスペシャルモデルだ。のちに発表されるアヴェンタドールにも採用されたエッジの効いたデザインは、ステルス戦闘機のF-22にインスピレーションを受けている。全体的には、ムルシエラゴの基本プロポーションをシンプルにし、直線と幾何学的形状を多用することで、よりアグレッシブなデザインになっている。

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ボディを構成する素材はカーボンファイバーで、その身にはReventónというミリタリー風のダークマットグレーのカラーリングを纏っている。

この幾何学的なデザインとカラーリングによって、誰もが容易に戦闘機を連想することができるのだ。

エッジが効いているのはデザインだけではない。新車価格は1億6000万円と、かなり高額な値段設定だった。今でこそ、新車価格が1億円越えのスーパーカーやハイパーカーは、何台も発売されているが、2007年当時、新車価格が「億」越えの車は異例だった。しかし、飛行機の中では比較的庶民的(と言っても、全くもって安い買い物ではないが…)なホンダジェットが約6億3000万円で、レヴェントンのモデルとなったF-22が約200億円であることを考えると、レヴェントンの新車価格が「億」越えになるのも納得がいくかもしれない。

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