彼らは滅びゆく恐竜なのだろうか? もし生き残るとしたら、将来はどんな姿になるのだろう?
ワシントン州シアトルで、6月9日と10日に開催された会議「グローバル・デパートメントストア・サミット2022」(ノードストローム主催、大陸百貨店連盟[IGDS]後援)では、この業界の過去と現在、そして未来について議論がおこなわれた。
議論の要点は、以下の通りだ。
1. 変化は確実に起こる。若い世代(ミレニアル世代やZ世代)が将来の店舗の在り方について意見をもっていることを認識することが重要だ。彼らの意見は、満足度や迅速なサービス、そしてサステナビリティに関する店舗の取り組みにとって欠かせない。
2. サステナビリティの取り組みには、温室効果ガスの削減、省エネ、太陽エネルギーの保存と利用などを盛り込む必要がある。
3. 現在の厳しい環境のなかで競争し生き残っていくために、ブランドには、直接的なリーチを超える規模の経済が必要だ。デパートの店舗を経営するだけでは不十分であり、顧客にリーチする別の方法を模索すべきだ。消費者直販、直営店、大規模な卸売などが考えられる。
4. 投資家は、現実的リスクと成長機会の検討において、環境・社会・ガバナンス(ESG)要素をますます考慮するようになってきている。
5. 国連の持続可能な開発目標(SDGs)を参照する必要がある。
かつては、ポーランドのヴロツワフのような都市にさえ、30店舗もデパートがあった。もっと最近を見ても、消費者の支出額の60%をデパートが握っていた時代もあった。しかし現在では、消費支出に占めるデパートの割合は20%を切っている。