「すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」(米国独立宣言より)
独立宣言の中に挙げられた、ジョージIII世に対する不満のリストの中には「世界各地との貿易を断たれた」というものがあった。
米国独立戦争で達成された自由の中には、経済的自由も含まれていた。確かに、アメリカンドリームとは、どこで生まれたか、どの階級で生まれたかにかかわらず、誰もが成功することができ、誰もが昇進できるという信念だ。アメリカンドリームは、運の良さではなく、犠牲とリスクテイクそして努力によって達成される。
これは魅力的なコンセプトで、何世紀にもわたって人々をこの国に引きつけてきた。米国勢調査局によると、現在、米国には約4400万人の移民がおり、米国住民の約8人に1人(13.6%)が外国生まれだ。2017年のVoxと経済政策研究センターの調査では「人口の多様性が、米国の長期的な繁栄の重要な源泉である」と述べられている。
100年以上前に国内外から非常に多様な出自を持つ移民を集めた地域は、より均質な構成員が特徴的だった地域に比べて、今日では著しく豊かな場所となっている。大量移住時代以降、多様性の高い地域は、やってきた移民がもたらした高度な技能、異なる視点や経験、そして異なる集団間の交流から大きな利益を得ている。その結果、新しいアイデアが生まれ、新しいダイナミズムが生まれ、それがすぐに短期間で巨大な経済的利益に結びついたのだ。こうした成果は、持続的なものであることが証明され、縮小されたとはいえ、今日でも実感することができる。
VOXの人口多様性と経済効果報告書は、米国で見られる、社会の多様性が経済発展に及ぼした大規模で、前向きで、持続的な影響は他の場所(より均質な人口を持つ国)で「再現することは困難であろう」と結論づけている。
また、2012年に発表された「移民の起業家たち:雇用の創出と経済力の強化」という研究は、米国における移民の起業家精神が新たな富と雇用を生み出していることを明らかにした。イーロン・マスクやグーグルのセルゲイ・ブリンといった移民のサクセスストーリーを知っている人は多いが、どれだけ多くの移民が新しいビジネスを始めているかを知っている人は少ないだろう。
調査によると、移民起業家は米国の科学技術系企業の4分の1以上(25.3%)を創業または共同創業している。また、技術系やその他の分野の移民起業家は、地域の活性化、地域の雇用創出、企業の国際的成長を可能にしている。
私や弟のラミットを含む移民たちがこの国に来た理由は、ガレージでビジネスを始め、数百万ドル(数億円)、あるいは数十億ドル(数千億円)の企業さえ生み出すことができる場所だからだ。実際、フォーチュン500社のうち45%が移民またはその子供によって設立されたと推定され、その中にはハイテク大手のAmazon(ジェフ・ベゾス)、Apple(スティーブ・ジョブズ)、Google(セルゲイ・ブリン)、Tesla(イーロン・マスク)などアメリカのトップ企業も含まれている。