農薬による水質汚染
バナナ農園に空中散布された農薬は排水路から流れて川を汚染し、海や水産資源まで汚染する。
裏庭で作物を育てている生産者もいるが、農薬の影響が心配で食べられず、川から得ていた飲み水も汚染されていて、野菜も水もお金を出して買わなくてはいけない状況になっている。
シールの番号でオーガニックを見分けられる
バナナは貼ってあるシールの番号でどうやって育てられたかがわかる。
シールに書かれている番号は「PLUコード」といい、実はバナナだけでなくキウイやオレンジ、レモンなどの輸入果物・野菜にも貼られている。番号の意味は以下のとおり。
・4桁で3か4で始まる番号=化学肥料や農薬を使用して栽培
・5桁で9で始まる番号=オーガニックで栽培
例えば「#4011」だと化学肥料・農薬使用のバナナだが、「#94314」だと有機栽培のバナナということになる。
エシカルなバナナを選ぼう
エシカルなバナナを選ぶために、ラベルに書いてある番号が9で始まるものを探すようにしよう。
また、発展途上国の貧困な労働者の生活改善と自立を支援する「フェアトレード」やサステナブルな農園で栽培された作物に与えられる「レインフォレスト・アライアンス」など、認証ラベルがついているバナナを選ぶのもおすすめだ。
いつも利用するスーパーのバナナ売り場で、意識的に探してみると案外簡単に見つけることができる。少し値が張るかもしれないが、数百円で深刻な社会問題の解決に貢献できると考えれば、前向きになれるのではないだろうか。
生産者はバナナを栽培したくないわけではなく、公正で安全な環境で働きたいのだ。
バナナを買うのをやめるのではなく、農園で起こっている問題を知り、1人1人が無理なくできる範囲で小さく消費行動を変えていくことが大切だ。
【参考文献】
・アジア太平洋資料センター(PARC)
・http://www.parc-jp.org/kenkyuu/2019/banana_poison_rain2020.pdf
・http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/siryou/banana.pdf
※この記事は、2022年6月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です。