テクノロジー

2022.07.07 18:00

サイト閉鎖で情報消滅、その前に。Webコンテンツの永久保存を考える

Getty Images

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インターネットの「ビックウェーブ」が日本にやってきて早20数年、今年(2022年)には、国立国会図書館が所蔵する貴重な絶版本を「個人向けデジタル化資料送信サービス」として、インターネット経由で閲覧できるサービスを開始した。絶版本の内容も、より手軽に見られる時代になった。一方、書籍化されていないインターネットの情報・コンテンツはどうなるのであろうか?
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はるか昔に書き込んだteacup掲示板の内容、初めてジオシティーズで制作したホームページ、思い出深いインターネットのニュース記事、これらの情報は残っているだろうか。残っているものは少ない気がする。

そもそも当時は、書き込んだ本人や制作者、そしてデータを預かる側も、未来永劫、保存することは考慮していなかったように思う。

もちろん、Internet Archiveが運営する「Wayback Machine」等で、昔のコンテンツの一部を見ることはできる。
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こころみに「Wayback Machine」で「https://www.amazon.co.jp」と入れると、アマゾン(ジャパン)2000〜2022年の過去ページのいくつかが見られることがわかる。スナップショットが撮られている日には緑丸がついている。

試みに2001年3月9日をクリックすると、当日のアマゾン ジャパンのトップページがあらわれる。右側に表示される「Amazon.co.jp和書トップ100」のランキングの第1位は、2000年11月刊行の大ヒットセラー『チーズはどこへ消えた?』だ。

だが、これから先、自らの意思を持って未来に残したいと思っている書き込みやホームページ、記事といった情報・コンテンツを残す手段はあるのだろうか。


「現代の焚書(ふんしょ)」?


ときとして、為政者は都合の悪い情報を封印するために本を燃やす行為、焚書を行ってきた。

インターネット時代においても、都合の悪い情報を権力で消したり、情報にアクセスができない状態とするような行為が存在する。

ただそもそも、情報を預けていたサービスが停止したり、ドメインやサーバの管理者が死去することによって、情報を保管することが存続できなくなることが出てくるだろう。

それは、いわばまったく意図しない言論制限とも言えなくないだろうか。

実際、先に挙げたteacup掲示板は今年(2022年)の8月1日でサービスを終了することが発表され、ジオシティーズは既に2019年3月31日でサービスを停止している。また、メディアでは、2022年3月31日でサービスを終了した「TechCrunch Japan」の記事は、もう見ることが出来ない。

2000年代初頭(Web2.0の時代)には、著作者がインターネット上で手軽に著作権に対する意思表示を行うことができる「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」が出来、著作物の再利用が促されたが、著作権に対する意思表示そのものが、著作物を残していく手法となるわけではない。
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文=曽根康司 編集=石井節子

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