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2022.06.05 08:30

米国成人の4割が肥満、2型糖尿病罹患率15%の州も

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その数を知って、言葉を失った。米疾病予防管理センター(CDC)によれば、米国では成人の5人に2人が肥満だという。

CDCの定義では、体格指数BMIが30以上の人は肥満だ。もっとわかりやすく言うと、身長175cmの男性なら体重92g、身長167cmの女性なら体重84kgで、BMIがおおよそ30を超える。米国では40%の成人がこの基準を上回っているのだ。

ただし残念なことに、健康を巡るこの危機はあまり認識されていない。肥満になると、血圧が上昇し、アテローム性動脈硬化(余分なコレステロールがたまって血管が狭くなったり詰まったりする状態)を引き起こして心臓発作や脳卒中、心不全を招く。米国では、心疾患が依然として死因の第1位だ。

とはいえ、それは氷山の一角にすぎない。肥満は2型糖尿病の原因であり、2型糖尿病は腎臓病や下肢の切断、失明を引き起こす。ウェストバージニア州、アラバマ州、ルイジアナ州などでは、肥満を原因とする2型糖尿病が広がっており、罹患率はなんと15%に上る。

肥満はこのように代謝に影響を及ぼすだけではない。肥満の人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にもかかりやすい。さらに、体重が軽めの患者と比べて入院する確率も高く、死亡に至りやすい。

そればかりか、肥満になるとがんの発症リスクも上昇する。乳がん、すい臓がん、甲状腺がん、肝臓がんを含む13種のがんは、肥満と関連している。

米国では、肥満による医療制度への負担が推定でおよそ2600億ドルに上っている。肥満はいまやエピデミックと呼べるほどに拡大しており、早急の対応が必要だ。とはいえ、そう意識している人がいるのかどうかは疑わしい。肥満は多くの疾患の根底にあり、予防可能な死因のトップであるにもかかわらず、誰もがこの状況をただ受け入れているように思える。

しかし、こうした肥満の問題に立ち向かうために今すぐできることがある。まずは、保険会社が率先して、栄養指導や薬物療法にかかる費用をすべて補償する必要がある。現時点では、カバーされるかどうかは加入者のタイプによってまちまちだ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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