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2022.06.01 07:00

イーサリアムのスケーリング技術のStarkWare、評価額1兆円突破

Getty Images

暗号通貨市場の急落の中でも、有望なブロックチェーン関連の企業は空前のバリュエーションで資金を集められることが証明された。

イーサリアムのスケーリングソリューションを開発するStarkWare(スタークウェア)は5月25日、シリーズDラウンドで1億ドルを調達し、評価額が前回のラウンドの4倍の80億ドル(約1兆236億円)に上昇したと発表した。Greenoaks CapitalとCoatueが主導したこのラウンドは、評価額20億ドルで実施された前回のシリーズCからわずか6カ月後にクローズした。

StarkWareの共同創業者でCEOのUri Kolodnyは、「暗号通貨の弱気市場の中でこの調達を完了したことで、当社のテクノロジーに対する投資家の信頼の高さを証明できた」と述べている。

イスラエルのテルアビブに拠点を置く同社は、ゼロ知識証明を活用したソリューションを使って、セキュリティや分散化を犠牲にすることなくイーサリアムの効率を向上させている。StarkWareは、ブロックチェーンに一つずつ取引を追加するのではなく、数千の取引を一つのバッチに束ねるという計算集約的なプロセスを行っている。


そして、80キロバイトという「スマートフォンの写真よりはるかに小さい」ファイルを使って、バッチ全体をブロックチェーンに書き込み、バッチの内容を「証明」するのだという。この証明システムは、StarkExの共同創業者でプレジデントのEli Ben-Sassonらが発明したSTARKと呼ばれるプライバシー強化とスケーリングのテクノロジーの一部だという。
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編集=上田裕資

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