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2022.05.30 07:00

エアビー、「どこでも勤務」の恒久化に自信

Diego Thomazini / Shutterstock.com

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エアビーアンドビーのブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)は、オフィスでの勤務はもはや過去の遺物であると固く信じている。米誌タイムとの最近のインタビューで、「従来型のオフィスはもはや終わった」と語った。

新型コロナウイルスの流行が米国人の生活を永久に変えたとの考えは、同社が過去2年間にわたり取ってきた戦略の原動力となってきた。その成果は、業績に反映されている。2022年第1四半期は宿泊とアクティビティーの予約件数が最高記録の1億200万件、売上高は前年同期比70%増の15億ドル(約1900億円)となった。事業が壊滅的な打撃を受けたコロナ流行初期と比べると、目覚ましい復活だ。

エアビーアンドビーは今月、「過去10年間で最大の変革」とする一連の新機能を発表。そのうちの一つが、検索機能の改善だ。新たにカテゴリーごとの検索ができるようになり、「洗練されたデザイン」や「最高の眺め」といった項目別に検索することで、新たな物件を発掘することができる。また、新機能の「宿泊先の分割」を使えば、長期滞在を2期間に分けて、別々の宿泊施設を予約することが簡単にできる。

今回の発表は、「どこでも勤務」のトレンドが今後も継続することに対する同社の自信を示している。同社のホスティング部門グローバル責任者のキャサリン・パウエルは、今回の検索機能刷新は同社が「永続的に続く」と考えるトレンドに合わせたものだったと述べている。

「誰もが同じレベルの柔軟性を持つわけではなく、同じ形で遠隔勤務ができるわけではない。しかし私たちは、新たな柔軟性が生まれたと考えている。人々は国内外で新たな場所を発見しており、滞在期間も長期化している」(パウエル)

多くの米国人が遠隔勤務に移行した2020年初期、エアビーアンドビーはそれまでになかった傾向に気づいた。利用者が宿泊施設を日単位ではなく、週あるいは月単位で予約していたのだ。「どこでも勤務」のトレンドが生まれ、生活と仕事、旅行の間の境界線が曖昧になっていた。
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編集=遠藤宗生

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