米国市場をヒントに欧州で発売
ロドリックの話では、クリスピー・ファンタジーの商品コンセプトを思いついたのは、米国にはデジタルネイティブ世代に人気の食品ブランドが数多くあることがきっかけだった。
ロドリックと、ビジネスパートナーのナウムは、欧州では健康を重視したシリアルがまだ出回っていないことに気がついた。当初はオンラインで販売し、TikTokなどソーシャルプラットフォームの力を借りたほうが、より効率的に主流市場へと進出できるというのが2人の考えだ。
「米国では、低糖質・高脂肪のケトジェニック・ダイエットへの関心が急速に高まっている」と2人は話す。「けれども、そういったトレンドは一時的なもので長続きしないし、大西洋を挟んだ欧州で同じような市場機会が生まれることはないと私たちは考えた。(中略)クリスピー・ファンタジーは、欧州市場向けに調整されている。私たちは、ケトジェニックのシリアルブランドでもないし、専門食品ブランドでもない。大衆向けブランドだ」
クリスピー・ファンタジーが目指すのは、ゼロシュガー・グルテンフリーというだけでなく、味を最優先し、典型的な健康重視型のシリアルのあるべきかたちを実現して一歩先を行くことだ。さらに、ケロッグとネスレという、朝食用シリアル分野を独占する二大企業に立ち向かう欧州ブランドになりたいという考えを、ロドリックとナウムは示した。ネスレは、「チェリオス(Cheerios)」(北米ではゼネラル・ミルズが販売)や「シュレディース(Shreddies)」などのシリアルを販売している。
「シリアルは、広く消費されている数少ない食品のひとつで、各ブランドには熱狂的なファンがいる」と、ロドリックとナウムは話す。「それでも、競争の激しいシリアル市場に恐れることなく食い込んで、何としてでも認められたい」