ニューヨーク証券取引所に上場しているタペストリーは4月19日、海南国際経済発展局(IEDB)、および海南省の省都である海口市の保税区委員会との間で、戦略的協力協定を正式に締結した。
海南省政府は、同省の中心地域である海南島に高級ブランドの拠点を誘致すべく、積極的な戦略を打ち出している。省政府は、自由貿易港の魅力をアピールするだけでなく、関税や税金の手続きなどを一本化するプラットフォームを提供し、高級ブランドを擁する企業の支援に余念がない。
同省政府の投資推進部門である海南国際経済発展局は、タペストリーのような企業に対して、海口市での拠点開設を支援するだけでなく、事業開発の加速、デジタルトランスフォーメーション(DX)の選択肢の探求、オムニチャネルサービスの拡大を後押ししている。
海南省が目指すのは、中国におけるトラベルリテールおよび自由貿易の中心地となることだ。海南国際経済発展局が2021年5月に海口市で開催した第1回中国国際消費品博覧会(China International Consumer Products Expo)は、国内および70カ国以上の国々から1500社以上の企業を集めた。
この博覧会には、多数の高級ブランドが出展した。その中には、タペストリーのほか、バーバリーやデビアス、ロレアル、資生堂、スワロフスキー、スウォッチなどの有名ブランドの名前があった。
この博覧会が開催された2021年5月には、例年であればシンガポールで「TFWAアジア太平洋エクシビション&コンファレンス(TFWA Asia Pacific Exhibition & Conference)」が開催されているはずだった。これは、免税品販売業界にとってこの地域で最大級のイベントだが、2021年はコロナ禍を受けてオンライン開催となった。そこで海南省が同時期にイベントを開催し、注目をさらったというわけだ。