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2022.04.28 07:00

タイガー・ウッズとペブルビーチの提携から学ぶマーケティングの教訓


だが、パートナーシップの発表からまもなくして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが世界を襲った。米国のあらゆる事業者と同様に、ペブルビーチも、人手不足やサプライチェーンの問題への対応を迫られた。

それでも、ペブルビーチは計画を進めた。そして2021年4月に、リニューアルされた「ピーター・ヘイ」コースをオープンさせた。

一方、ウッズ自身も、パートナーシップの発表後に、多くの困難の克服を余儀なくされた。

メジャー選手権15回制覇の実績を持つウッズは、2021年2月に交通事故で脚に重傷を負ったのだ。しかし2022年4月には、ジョージア州オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催されたメジャー選手権の一つ、マスターズ・トーナメントで劇的な復活を果たし、ゴルフ界を驚かせた。このマスターズ出場は、1年5カ月近くにわたってゴルフから遠ざかっていたウッズによる、驚異的な復活劇を象徴する出来事となった。

筆者は2022年3月、彼らの努力の成果を自分の目で確かめようと、ペブルビーチを再訪した(担当編集者とIRS=米内国歳入庁に対してことわっておくと、ゴルフコースまでの交通費とグリーンフィーは自分で負担した)。コース、パッティンググリーン、そして新設されたゴルフ・アカデミーは、私の高い期待に十分に応えるものだった。

現在のゴルフ界は、マーケティングに関して問題点を抱えている。多くの人にとって、18ホールを回るラウンドは時間がかかりすぎるうえに、平均的な家庭にとっては費用も高すぎる。ウッズとサウィンは、ペブルビーチの「ピーター・ヘイ」で、こうした状況を変えようとしている。

だが、このコラムのテーマは、ゴルフではなく、マーケティングだ。その視点から見ると、これはあらゆる事業者への教訓をはらんだ事例と言える。

自分が手がけるブランドの中で不振の部門があれば、そこを解体して、より良い、新しいものを一から作り出すべきだ。これが簡単なことだとは、私も言っていない。実際、非常に厳しいかもしれない。ペブルビーチとウッズにとっても、厳しい道のりだった。

だが、野球から生まれた名言を借りるなら、「難しいからこそやる価値がある」のだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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