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2022.04.26 06:30

米コロナ死者数、100万人に近づく 死の24%はワクチンで回避できた?

COVID-19ワクチンを研究者が手にし、女性の医師は注射器や、コロナウイルス治療用のワクチンを用いたボトルを持っている。(Photo by Viacheslav Lopatin/shutterstock)

新型コロナウイルスへの感染による米国の死亡者数が、100万人に近づいている。こうした中、カイザー・ファミリー財団(KFF)が新たに発表した調査結果によると、昨年6月以降に感染によって死亡した人のうち24万人近くは、「適切なタイミング」でワクチンを接種していれば、死を回避できた可能性があるという。

KFFは、首都ワシントンと24州での感染による死亡をワクチンの接種状況別にまとめた米疾病対策センター(CDC)のデータを用い、昨年6月から今年3月までの状況を分析。この間に感染によって死亡した人のうち、未接種だった人は約27万人で、死者全体のおよそ70%を占めていたと推計している。

感染によって死亡した人の60%は、ファイザー製またはモデルナ製のワクチン接種(2回で完了)、ジョンソン・エンド・ジョンソン製(1回で完了)の接種によって、死を防げた可能性があるという。

KFFによれば、昨年6月から今年3月の間で、1カ月の死者数が最も多かったのは昨年9月だ。同月に感染によって死亡した人のうち、ワクチン接種によって死を避けることができたみられる人は、約4万2000人だったとみられている。

KFFは今回の調査対象から、未成年は除外している。未成年者すべてがワクチン接種の対象ではないこと、感染による死者全体に未成年が占める割合が、1%未満とみられることが理由だ。

一方、CDCによると、米国の人口のうち、ワクチン接種を完了している人の割合は、4月24日現在で約66%。少なくとも1回の接種を受けた人は、約78%となっている。

KFFは今回の調査結果についてそのほか、「ワクチンの感染予防効果は、現在優勢となっている新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株に対しては、以前に主流となっていた変異株に対する効果と比べ、大幅に低下している」と指摘。だが、「入院や死亡を防ぐ効果は大きく、特に追加(ブースター)接種を受けた場合には、その効果は大幅に引き上げられている」と述べている。

また、現時点で接種を受けることができるワクチンが死亡を防ぐ効果も“極めて高く”、推奨されるとおりに追加接種を受けた場合には、効果はさらに高まるとしている。バイデン政権は3月、50歳以上の成人に対するファイザー製、モデルナ製ワクチンの2回目の追加接種(4回目接種)を承認している。

BA.2で感染者が再び急増


米国では、感染力が大幅に強まったオミクロン株の派生型「BA.2」への置き換わりが進み、大半の州で感染者が再び急増している。だが、専門家らによれば、BA.2に感染した場合に重症化する危険性が、その他の株より特別に高いわけではないとみられている。

ただ、CDCが3月下旬までの感染による死亡とワクチンの接種状況について分析した結果によると、未接種の人が感染した場合に死亡する可能性は、接種完了後に追加接種を1回受けた人に比べ、およそ20倍高いとみられている。

また、KFFの調査結果では、オミクロン株はワクチンによって獲得された免疫を回避する力が強まっており、接種完了後に感染する「ブレークスルー感染」によって死亡した人の割合は、ここ数カ月で最も大きくなっている。

モデルナは4月19日、新たなデータを発表。開発中の新たなタイプのワクチンが、オミクロン株とその他の変異株に対してより強い免疫反応を示したことを明らかにした。今秋にも、この新しいワクチンの提供を開始したい考えだという。

編集=木内涼子

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