人事担当者、98%が疲弊 米英で調査結果

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米国と英国の企業の人事担当者が抱える課題を浮き彫りにする調査結果が、このほど発表された。調査は社内コミュニケーションアプリ「ワークビボ」が両国の人事担当者520人以上を対象に実施したもので、結果は憂慮すべき内容となっている。

職場の変化と大量退職の結果、人事担当者の98%が燃え尽き症候群に陥っていた。従業員一般の燃え尽きは、リモートワークやハイブリッド型勤務への移行が進んだここ1年半で悪化したが、特に人事部門の責任者はこの半年間で職場の変化に伴う課題をほぼ一人で抱え込んだため、燃え尽きを感じている。

ここ半年間で、仕事に圧倒されたと感じた人は94%、仕事が嫌だと感じた人は88%だった。従業員の大量退職と、職場の大きな変化により、人事部門の業務は増え、大きなプレッシャーを受けることとなった。調査対象の97%は、この1年間で仕事による精神的な疲れを感じていた。

社内の政治的駆け引きが職場に悪影響をもたらしているとの回答は83%に上った。自分の仕事が組織の中で高く評価されていると感じている人はわずか29%で、機会があれば自分も今年中に転職したいと考えている人は78%に上った。73%は自分の仕事を全うするのに必要なツールやリソースがないと答えた。

ワークビボの従業員エクスペリエンス担当者であるジリアン・フレンチは、燃え尽きのまん延は、大きな改革がなければ組織に重大な影響を及ぼし、現在ある問題をさらに悪化させる可能性があると警告。企業は人事担当者を経営幹部の一員に加え、その意見を経営に反映させる必要があると指摘している。

編集=遠藤宗生

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